『NEWPEACE』が「頸椎胸椎アライメントを考慮した枕の首肩への負担軽減と睡眠への影響」を第31回日本睡眠環境学会学術大会にて発表。同大会において「奨励賞」を受賞
株式会社MTG(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:松下剛)は、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院 佐藤公治 医師と共同で研究開発した枕の研究成果を第31回日本睡眠環境学会学術大会(2023年3月4日)にて発表したことをご報告いたします。
また、将来性、発展性のある研究に贈られる「奨励賞」を同発表が受賞いたしました。
睡眠は、人が健康で生き生きと生活していく上で重要な要素ですが、未だ未解明な点が多いと言われています。より良い睡眠にとって必要不可欠な寝具の枕においても、どのようなものが適当であるかという結論は出ておらず、経験的に選択されています。そこで、佐藤公治医師は、脳や骨・関節、内臓器の検査で用いる核磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Image:MRI)を用いて枕の違いによる解剖学的評価を実施し、睡眠時の理想的な頸椎胸椎アライメント(首から胸までの椎骨のならび)について研究してきました。
今回、NEWPEACEでは理想の枕を実現するためには「素材」「形状」「高さ」が重要であると考え、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院整形外科・脊椎脊髄専門医 佐藤公治医師と共同で枕開発を行いました。実際に首肩のこりの症状があり、睡眠で十分な休養がとれていない方を対象に、頸椎胸椎アライメントを考慮した枕の首肩のこり感や睡眠感への影響を明らかにしました。
【学術発表】
演 題:頸椎胸椎アライメントを考慮した枕の首肩への負担軽減と睡眠への影響
発 表 者:武藤貴雄1), 高椋皓一1), 牧井美波1), 粂和彦2), 佐藤公治3)
1)株式会社MTG
2)名古屋市立大学
3)日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院
発表サマリ:
首肩のこりや痛みは、生活の質、仕事の生産性、睡眠の質に悪影響を与えると言われています。佐藤はまくらの素材や形状により、頸椎胸椎アライメントならびに脊柱管内の頸髄の位置が睡眠に影響することを示し、頸椎胸椎アライメントと官能評価より最適な枕形状の方程式を導きました(J. Sleep and Environments, 3(1), 80-84, 1995)。今回、先行研究の方程式を参考に枕を開発し、CT(Computed Tomography)検査により枕使用時の頸椎胸椎アライメントの状態を確認しました。首肩のこり症状と睡眠への影響を調査するため、起床時にも首肩のこり症状がある成人29名を対象に比較検討した結果、頸椎胸椎アライメントを考慮した枕は、普段使用している枕に比べ首肩への負担を軽減し(図1)、睡眠感を改善すること(図2)が示唆されました。
今後も、自社開発のみならず、研究機関や他企業との共同開発に取り組むことで、先進テクノロジーの可能性を追求し続け、より美しく、より健やかに生きることのできる豊かな社会の実現に貢献してまいります。
[日本睡眠環境学会]
睡眠環境学の科学に関する学術研究および教育・実践・応用の向上に資するため、 研究者相互の交流・研究発表会等を開催し、睡眠環境学の科学研究の充実に寄与することを目的した団体です。
第31回日本睡眠環境学会学術大会のテーマは、「睡眠環境と近接領域の課題」と題して行われました。
学会HP:https://www.sse-japan.com/
学術大会 HP: https://sites.google.com/view/jsse31th/
【日本睡眠環境学会学術大会 奨励賞】
将来性、発展性のある研究として、この賞を通じて学会でも優秀な研究・発表を今後一層求めてゆくための有効な方策として毎年開催される学術大会において実施されているものです。
以下の審査評価項目で、5名の審査委員により評価得点を集計して決定したものとなります。
A. 構成と発表力
B. データ処理と表現力
C. 研究の適合性
D. オリジナリティー
図1.首肩のこりの自覚症状のアンケート結果
各1週間おける首肩のこりの自覚症状の平均は、頸椎胸椎アライメントを考慮した枕の使用により有意に低下し、
首肩の負担を軽減することを示唆しました。
図2.睡眠感のアンケート結果
1週間の各枕の使用による睡眠感について、OSA睡眠調査票MA版を用いて評価しました。
頸椎胸椎アライメントを考慮した枕を使用した睡眠は、普段使用している枕に比べ、入眠と睡眠維持、疲労回復などの睡眠感を改善することが示唆されました。
引用:PR TIMES