不眠のタイプや原因とは。生活リズムを整えてぐっすり眠ろう
最近、眠りの質が低下していると感じていませんか?日常的に眠りにくいなら、さまざまな要因から、不眠の傾向が表れている可能性があります。睡眠のメカニズムや、心地いい眠りに導きやすくする生活習慣について知り、できるところから取り入れてみましょう。
睡眠の仕組みを知ろう
夜は眠くなるのが当然と考えているかもしれませんが、なぜ眠くなるかは知らない人も多いのではないでしょうか。そこで、まずは睡眠のメカニズムについて解説します。
レム睡眠とノンレム睡眠
眠っているときの状態は2種類に分けられます。『レム睡眠』と『ノンレム睡眠』です。レム睡眠は、体は休んでいるけれど脳は働いています。一方、ノンレム睡眠は、体も脳も深く休んでいる状態です。
睡眠中には、約90分周期でレム睡眠とノンレム睡眠が交互に表れるといわれています。一般的な睡眠周期では、最初に表れるレム睡眠はほんの数分で、徐々に約30分・約1時間と長くなり、目覚めに近づくそうです。
眠り始めて約30分後からノンレム睡眠で深く眠り始め、十分に体と脳が休まると、起きる準備が始まると考えられています。
睡眠と覚醒のメカニズム
私たちが、眠って起きるリズムを繰り返すのは、『恒常性維持の仕組み』と『体内時計』の働きのバランスによるものといわれています。
恒常性維持の仕組みは、体のコンディションを一定に保とうとする働きと解釈するとよいでしょう。そのため、疲れると眠り、回復すると目覚めます。疲れの度合いに合わせて、必要なだけ眠ろうとする仕組みといえるのです。
一方、体内時計は、決まった時間に寝たり起きたりする仕組みといえます。疲れていなくても毎日同じような時間に眠くなったり、目覚まし時計を使わなくてもほぼ同じ時間に起きたりするのは、体内時計の働きによるものと考えられています。
不眠とは
体には、規則正しく眠って起きるリズムがあることが分かりました。それでも眠りにくくなる不眠は、どのような状態のことなのでしょうか?
さまざまな要因が重なり眠れない状態
不眠とは、精神的なストレスや身体的な苦痛などで、十分に眠れない状態をいいます。
不眠になると、体のリズムに合わせて眠るのが難しくなります。原因はさまざまですが、ストレス・生活リズムの乱れ・急激な変化などがあると、眠りにくくなるといわれています。原因は一つではなく、複数の理由が絡まり合っている可能性もあるそうです。
例えば、交代制勤務の部署へ異動になってから眠りにくくなったなら、異動による変化・交代制勤務による生活リズムの乱れ・仕事への緊張感・人間関係によるストレスなどが関係しているかもしれません。
満足のいく眠りを得ている人は多くない?
睡眠について悩んだり困ったりしている人は、あなたが思っているより多い可能性があります。
毎日十分に眠りすっきり目覚めている人は、実はあまり多くない、ということを示す調査結果が、厚生労働省により発表されているのです。
『国民健康・栄養調査』によると、平均睡眠時間6時間未満の人が増えており、日中眠気を感じたとも回答しています。また、十分に眠れていないと感じている人も、年々増加しているのです。
1日の平均睡眠時間が6時間未満の割合が増加
平成27年「国民健康・栄養調査」の結果 |報道発表資料|厚生労働省
睡眠で休養が十分にとれていない者の割合(総数)は、平成 21 年で 19.4%、平成 24 年で 16.3%、平成26 年で 21.7%、平成 28 年で 20.9%、平成 29 年で 21.9%、平成 30 年で 23.4%であり、平成 21 年からの推移でみると、有意に増加している。
平成30年国民健康・栄養調査結果の概要
あなたの不眠はどのタイプ?
不眠といっても、人それぞれ状態は違う可能性があります。あなたが感じている眠りにくさは、どのタイプに当てはまるでしょうか?
不眠症の症状を大きく分けると『入眠障害』『中途覚醒』『早期覚醒』『熟眠障害』の四つのパターンが挙げられます。
なかなか寝付けないタイプ 〜入眠障害〜
布団やベッドに入っても『なかなか寝付けずつらい』と感じているなら、こちらのタイプと考えられます。中には眠りに入るまでに2時間以上かかるケースもあるそうです。
なかなか眠れないことがストレスになり、さらに眠りにくくなっているということもあります。寝付けないのは、不眠の中で最も多いといわれているタイプです。
途中で目が覚めたり眠りが浅いタイプ 〜中途覚醒〜
『頻繁に目が覚める』という人もいます。このタイプは、寝付きはよくてもすぐに目覚めてしまうため、よく眠れないと感じやすいそうです。
少しうとうとしたと思ったら起きてしまった、という状態も、このタイプに分類されます。目が覚めるまでの時間や、何回目覚めるかには個人差があるそうです。
加齢により眠りが浅くなり始めると、出やすい傾向があるともいわれています。
朝だいぶ早くに目が覚めてしまうタイプ 〜早期覚醒〜
6時に起きようと思っていたのに、3時や4時に目が覚めてしまいつらいというのも、不眠の一種といわれています。
すっきり目覚められるわけではなく『まだ眠りたいのに寝付けない状態』だそうです。加齢によって、体内時計のリズムが前倒しになっている可能性があります。
起きたときにスッキリ感の得られないタイプ 〜熟眠障害〜
寝付きに問題はなく、途中で目覚めることもなく、起きる時間も予定通りなのに、なぜか『眠気がずっと続く』ということもあります。睡眠時間は十分でも、なぜか眠った気がしないというタイプです。
きちんと眠っているつもりなのに眠気を感じてつらいなら、このタイプと考えられます。
不眠の原因とは
さまざまな原因で引き起こされる、眠りにくいという状態には、いくつかの原因があるといわれます。自分に当てはまる原因がないかチェックしましょう。
ストレスやこころの問題
眠りにくくなった頃の前後で、何か強いストレスになることや不安を感じることはありましたか?例えば、家族や親しい友人との別れがあったのなら、それが不眠のきっかけとなっている可能性があります。
他にも、大きな仕事を任されたことがプレッシャーになっている、ということもあるかもしれません。これまでと変わった出来事はなかったか、きっかけになりそうなことを振り返ってみましょう。
また『こころの問題が潜んでいる』可能性もあります。眠れないことに加え、気分が沈み込みがちだと感じているなら、専門の医師に相談するというのも一つの方法です。
生活リズムや体の問題
急に生活リズムが変わると『体が変化についていけない』ことがあります。その結果、眠りにくくなることもあるそうです。
例えば、海外出張から帰ってきたけれど、時差ボケが直っていない場合、夜に眠りたくてもうまく寝付けないことがあります。また、職場の勤務が昼夜逆転しやすいスタイルに変化した、というようなときも、寝たい時間に寝られない可能性があるものです。
体の不調が原因で眠れないこともあります。けがで痛みを感じる・じんましんでかゆみがひどい・花粉症で鼻がつまるなど、眠りを妨げやすい状態では、寝付きにくさを感じやすくなるのです。
薬などによる問題
日常的に服用している薬によって、眠気が妨げられている可能性も考えられます。例えば、抗がん剤・神経系の薬・ステロイドなどは睡眠に影響するといわれているそうです。
常用している薬がなくても、お酒を飲んだりタバコを吸ったりする習慣がある人は、アルコールやニコチンの働きで眠りにくいことがあるといわれています。
飲み物はお茶か水くらいしか飲まない、という人でも注意が必要です。お茶にも寝付きの悪さに影響するといわれている、カフェインは含まれています。カフェインはコーヒーに含まれるイメージがあるかもしれませんが、緑茶・紅茶・ココア・コーラ・栄養ドリンクなど、さまざまな飲み物に含まれている成分です。
良い眠りを得るための対策
ぐっすり眠るためには、日中の過ごし方がポイントになるそうです。睡眠に役立つ過ごし方を紹介するので、できることから取り組んでみましょう。寝付きのよさや睡眠の質が高まる可能性があります。
朝は日光を浴びて朝食をしっかり
朝起きて行いたいことは、日光をしっかり浴びることです。太陽光を代表とする強い光は『体内時計を調節する』働きがあると考えられています。強い光を浴びて14時間経過すると、徐々に眠くなってくるそうです。
そのため、23時に眠りたいと考えているなら、遅くとも9時までには日光を浴びましょう。早く眠くなれば寝付きの改善に結びつき、朝もスムーズに起きられる可能性があります。
しっかり朝食をとることも、良質な睡眠をサポートする習慣です。食事をすることで体を目覚めさせると同時に、日中の活動にいきいき取り組むためのエネルギーチャージができます。
活動的に過ごせば疲労がたまり、夜の快眠につながりやすくなると考えられるのです。
日中は適度な運動などストレス発散
運動で体を適度に動かすと『生活リズムにメリハリが出る』ことが期待できます。程よい疲れにより、スムーズな寝付きや深い眠りに導かれやすくなるのです。
ストレスが眠りにくさにつながることもあるため、趣味に取り組み気分転換することも役立ちます。運動はもちろん、読書や映画鑑賞など、好きなものに触れる時間を持つのです。
音楽を聞くのもよい気分転換といえます。お気に入りを選ぶ他、リラックスに役立つといわれている自然の音やクラシック音楽もぴったりです。スマホにダウンロードすると、通勤中や休憩時間に気軽に聞けます。
夕食の時間を考慮し入眠準備を
食後の体は消化を優先させるそうです。そのため、眠る直前に食事をすると、体が休まりにくくなり、睡眠が浅くなる可能性があります。
そこで、夜は眠るまでの時間を考慮して、夕食を食べたり眠るための準備をしたりすることが大切です。『就寝3時間前までに夕食をすませるのが理想』といわれています。それ以降に夕食をとるときには、消化のよいものを少量にとどめておきましょう。
お風呂は約38℃のぬるめに5~30分つかると、リラックスできるといわれています。日中の緊張感を解きほぐすのに役立つ習慣です。また、眠る前に温かい白湯やしょうが湯を飲むと、程よく温まり眠気を導きやすくなるといわれています。
寝具選びのポイントを知ろう
質のよい睡眠のサポートには、快適に眠りやすい環境作りもポイントです。体形に合っていることはもちろん、素材や機能性も考慮して、ぴったりの寝具を選びましょう。
枕選びは素材や高さ
心地よく眠りやすい枕のポイントは『吸湿性・発散性に優れている素材』でできていることです。そのため、吸湿・発散性に優れている、天然素材でできた枕を選ぶのがおすすめです。
寝付くときには、体温を下げるために汗をかくといわれています。汗による水分を吸湿・発散しやすい素材により、頭部を快適に保ちやすいのです。
また『枕の高さが合っている』こともポイントといえます。高さが合わない枕では、息が苦しくなることや、肩こりになることもあるものです。
自分に合った高さの枕を選ぶことで、快適な寝心地を作りやすくなります。壁に背をつけて立ったときの、首のカーブ部分と壁の距離が、ぴったり合う枕の高さの目安といわれています。
マットレス選びは素材や硬さ
寝付くときの汗による不快感の減少につなげるため、マットレスの素材は吸湿・発散性の高い天然素材がよいといわれています。湿気によって蒸れたりカビが生えたりするのを防ぎやすくなることが期待できるのです。
また『適度な硬さ』であることも重要なポイントと考えられています。柔らかすぎるマットレスは、体重のかかりやすい腰部分が沈みやすく、腰の負担につながりやすいといわれているからです。
逆に硬すぎるマットレスは、頭や腰に圧力がかかりすぎる傾向があり、痛みを引き起こす可能性があります。
そのため、表面は適度なクッション性と吸湿・発散性がある素材で、下部は体圧分散性や支える力に優れたものを選ぶと、寝心地のいいマットレスを選びやすくなるでしょう。
カバーやシーツは機能性
眠りやすい状態に導くためには『カバーやシーツといったリネン類の機能性』もポイントといえます。マットレスや枕といった寝具の環境を、自分に合わせて整えやすくするためのアイテムと考えましょう。
枕やマットレス同様、カバーやシーツも寝付くときの汗対策ができる、吸湿・発散性のある天然素材を選ぶのがよいといわれています。
これに加えて、季節や体調に合わせた適度な保温に役立つアイテムを選ぶと、寒すぎる・暑すぎるといった状態を避けやすくなるのです。温度約33℃・湿度約50%を保つのが理想の寝具の目安と考えられています。
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不眠と正しく向き合おう
眠りにくい日が何日も続くと、不安な気持ちになってしまうこともあるかもしれません。そのようなときこそ、1人で抱え込みすぎないことがポイントといえます。
悪循環にはまらない
「寝付けないなら眠くなるまで起きていればいい」「仕事中に眠くなったら昼休みに仮眠を取ろう」このくらいの気軽な心持ちでいると、眠れない悪循環から抜け出しやすくなる可能性があります。
無理をして寝室にいたり、ネガティブに考えすぎても、不眠はなかなかよくならないといわれています。明日も仕事があるのに眠れない、というあせる気持ちから、眠気どころか目がさえてしまうこともあるそうです。
また、眠りにくい日が何日も続くと、眠るということ自体が怖く感じるケースもあります。今夜も眠れなかったらどうしよう、と不安な気持ちを感じやすくなるそうです。
このようなあせりや不安を手放すことでリラックスでき、眠りにつながりやすくなる可能性があります。
困ったら専門家に相談
1人で悩みすぎる前に、早い段階で専門家に相談すると、不安感の軽減に役立ちます。不眠の悩みを扱うのは、精神科や心療内科ですが、まずはかかりつけ医に相談するというのでも十分です。
これまで『1人で抱えていた不安な気持ちを誰かに相談できた』ということにより、気持ちがラクになることが期待できます。眠りにくさの改善につながることも考えられるのです。
服薬は医師の指示を仰いで
医師との相談により、薬を使用することで眠りをサポートするケースもあります。
薬の使用を不安に思う人もいるかもしれませんが、自分で解決できない疑問があるなら医師に相談しましょう。どのような成分で構成されているものなのか、副作用のリスクについてなど、詳しく教えてもらえます。
適切に使用することで最適な働きが期待できる薬は、自己判断で量を加減したり、やめたりしないことが大切です。医師の指示に従って、正しく服用することが、睡眠の悩み解消に役立ちます。
まとめ
眠りにくい日が長く続くと、不安な気持ちはどんどん大きくなってしまうものです。つらい状況が続いて解決が難しい場合は、1人で抱え込まずに、専門家に相談したり指示に従って薬のサポートを受けたりすることも検討しましょう。
午前中のうちに日光を浴びることや、スポーツといった活動的な過ごし方を意識することも、夜の眠りをサポートする生活習慣です。
寝具を見直し寝室の環境を整えることも、快適な眠りに役立つ可能性があります。紹介した素材や目安を参考に、自分に合う寝具選びにもチャレンジしてみてください。
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