【うつ症状にもプラズマローゲン】ホタテ由来プラズマローゲンの経口摂取でうつ病患者の症状「不安、疲労、睡眠」に有意な改善を確認
株式会社ビーアンドエス・コーポレーション(本社:東京都千代田区、代表取締役:村越 優子、以下「B&Sコーポレーション」)は、医療法人健育会オボクリニック(東京都新宿区、院長:於保 哲外)、レオロジー機能食品研究所(福岡県糟屋郡、代表取締役:藤野 武彦)、MedStat株式会社(福岡県福岡市、代表取締役:古野 純典)との共同研究により、B&Sコーポレーションが2015年から製造・販売するサプリメント、高純度抽出ホタテ由来プラズマローゲンが、うつ病および抑うつ神経症患者の「不安、疲労、睡眠」などの心理行動要因を改善することを確認しました。この研究報告は、2023年4月27日に国際ジャーナル「Mega Journal of Case Reports」に掲載されました。
(https://megajournalofcasereports.com/wp-content/uploads/2023/05/MJCR-6-2098.pdf)
【研究結果のダイジェスト】ホタテ由来プラズマローゲンの3カ月間の摂取で、うつ病または抑うつ神経症患者に以下の改善が見られました。●不安感の軽減 ●疲労度の軽減 ●ネガティブ感情の改善 ●活気の向上 ●睡眠の質の改善 |
1.研究の背景
うつ病は、世界中で最も一般的な精神疾患であり、WHOによると世界で約2億8000万人(2021年)が罹患していると推定され、日本国内でもコロナ渦もあり増加が懸念されます。
“気分が落ちこむ、やる気がなくなる、眠れない”などの、うつ病性障害は、薬物療法と精神療法が標準的な治療・管理方法ですが、完全な回復はまれといわれており、回復後の再発や症状の慢性化などの問題を抱えています。そのため、症状の緩和や予防を目的として、ハーブや食品由来成分の活用も検討されており、プラズマローゲンもその性質から候補になりえるとされ、現在、精神疾患分野での研究が進んでいます。
今回、精神科・心療内科のオボクリニックに通う、うつ病および抑うつ神経症患者におけるホタテ由来プラズマローゲン(1.0mg/日)摂取時の心理行動要因を3カ月間追跡した結果を解析しました。
2.試験の対象者、評価項目および結果
<対象者>
追跡患者17名の内、14名が女性で平均年齢は51.2歳、うつ病の方が11名、抑うつ神経症の方が6名、平均の罹患歴は3年で、16名の方が1年以上通院していました。
<評価項目>
STAI(状態・特性不安尺度)・・・ 不安状態を測定する心理検査
疲労度チェックシート・・・ 身体的疲労度と精神的疲労度のチェック
VAS(視覚評価スケール)・・・ 気分・感情の評価尺度(緊張・抑うつ・怒り・活気・疲労・混乱)
OSA睡眠調査票MA版・・・ 起床時の睡眠感を評価する心理尺度
<結果>
(1)不安感の軽減
不安状態を測定する心理検査・STAIを実施したところ、性格などに由来するため治療まで時間がかかるとされる「特性不安」の緩和が顕著でした。摂取前は平均61点と不安の高い状態だったのに対し、摂取1カ月後で有意に軽減。3カ月後にはさらに改善が進み、一時的な不安反応である「状態不安」も有意な軽減が認められました。
(2)疲労度の軽減
うつ病患者は常に不安や緊張状態が続くため疲労が強まりやすい傾向にありますが、「身体的疲労」も「精神的疲労」も徐々に軽減され、摂取3カ月後には有意な軽減が認められました。
(3)ネガティブ感情の改善と活気の向上
気分・感情の変化を測定したところ、「活気」が向上し、「抑うつ」や「疲労」、「混乱」というネガティブ感情が改善しました。
(4)睡眠の質の改善
睡眠の質では、「起床時の眠気」と「疲労回復」において徐々に改善を示し、3カ月後には有意な改善が見られました。
その他、抗うつ薬の使用の有無、罹患歴の長さによる変化の差についても解析をおこないました。その結果、一部(抗うつ薬使用の有無におけるVAS「混乱」、罹患歴の長さにおけるVAS「緊張」)で差が見られたものの、おおむね差は無く、広い患者バックグラウンドにおいて有効であると考えられました。
3.今後の展望 -プラズマローゲンとうつ-
プラズマローゲンは、あらゆる動物に存在し、生体内で重要な働きをするリン脂質の一種です。ヒトの脳や心臓などに多く含まれます。
これまで、ホタテ由来プラズマローゲンの経口摂取により、アルツハイマー病患者や軽度認知障害(MCI)の方の認知機能が改善することが報告されています。アルツハイマー病とうつ病には共通した病態である【海馬の萎縮、アミロイドβの変化、免疫に関与する炎症性サイトカイン値の上昇】があり、ホタテ由来プラズマローゲンの経口摂取は、うつ病患者にも有益であることが示唆されます。
本研究により、ホタテ由来プラズマローゲンがうつ病態にある患者の心理行動要因を緩和し、QOL(生活の質)を大きく向上させる可能性が示されました。また、うつ病患者の3分の2が抱えていると言われる不安障害は、うつ病の寛解や予後不良と関係しています。そのため、不安スコアの改善はうつ病の管理において重要な臨床的意義を持つと考えられます。医師による通常診療に加えて、ホタテ由来プラズマローゲンを活用することは、根本治療の一助になることが期待できます。
新型コロナウイルス感染症によるパンデミックを経験した今、メンタルヘルスケアがさらに注目されています。私たちは、ホタテ由来プラズマローゲンが、メンタルヘルスに悩みを抱えるすべての人の救いになることを目指し、これからも研究を進めてまいります。
「ホタテ由来プラズマローゲン」とはホタテ貝から抽出したプラズマローゲンで、他由来のプラズマローゲンに比べ、DHA(ドコサヘキサエン酸)を豊富に含有し、ヒトの脳に多いエタノールアミン型プラズマローゲンが多いことが特徴です。B&Sコーポレーションが製造・販売するホタテ由来プラズマローゲンは、特殊技術で抽出した「高純度ホタテ由来プラズマローゲン」です。プラズマローゲンに関する多くの研究論文は、この高純度ホタテ由来プラズマローゲンが使用されています。ホタテ貝をそのまま食べても効果がないことからも、純度が重要であることがわかります。 |
【会社概要】
株式会社ビーアンドエス・コーポレーション
代表取締役:村越 優子
所在地:〒102-0083 東京都千代田区麹町6-2-6 TEL:03-3288-0115/FAX:03-3288-0116
設立:昭和59年5月(創業 大正3年・1914年)
事業内容:乳酸菌発酵技術を応用した食品の製造/乳酸菌生成エキスおよび乳酸菌生成エキス添加応用製品の販売/新製品の研究開発/ホタテ由来プラズマローゲン製品の製造・販売
【文献情報】
<論文タイトル>
Orally Administered Plasmalogens Alleviate Psycho-behavioral Parameters in Patients with Depressive Disorder: An Observational Study
<著者>
Tetsugai Obo, Mariko Obo, Mina Fukuchi, Yasuhiro Sasuga, Takehiko Fujino, Suminori Kono
<掲載誌>
Mega Journal of Case Reports
<掲載日>
2023年4月27日(米国現地時間)
引用:PR TIMES