日本人の約7割が、“睡眠バランス”が乱れている可能性あり 睡眠に悩んでいるにも関わらず、約半数が「見て見ぬふり」している実態が明らかに
一般社団法人ウェルネス総合研究所では、「9月3日の睡眠の日」を前に、睡眠コンサルタントの友野なお先生監修のもと、全国の10-60代男女 1,200名を対象に「睡眠に関する意識と実態調査」を実施しました。
現在、日本は先進国33か国の中で、睡眠時間が一番短く※、慢性的な睡眠不足が課題と言われています。2017年に“睡眠負債”という言葉が登場して以来、睡眠に対する関心は年々高まっており、さまざまな方法で睡眠の質にアプローチする「睡眠関連ビジネス市場」も拡大傾向にあります。今回の調査では、睡眠に関する悩みや対策経験、睡眠の知識など、生活者の意識や実態を明らかにし、そこからみえる睡眠の質にかかわる「睡眠バランスの乱れ」について友野先生に解説いただきました。
※経済協力開発機構(OECD)、Gender data portal 2021
■調査結果サマリー
✔ 睡眠の悩みがあると回答したのは約7割
深睡眠とレム睡眠、2つの睡眠バランスが乱れ、質の低い睡眠をしている可能性あり
✔ 質の高い睡眠=ぐっすり眠ることに意識がいきがち
3人に2人以上がレム睡眠よりも深睡眠を多くとることが重要と思い込んでいる
✔ 睡眠に悩んでいる人の半数以上が、目覚めてから布団を出るまでに5分以上かかっている
すっきり起きられていない実態が明らかに
✔ 睡眠に悩んでいるにも関わらず、約半数が「見て見ぬふり」
対策したことがある人も、2人に1人以上が効果を実感していない
■調査概要
・調査名:睡眠に関する意識と実態調査
・調査主体:一般社団法人ウェルネス総合研究所
・調査方法:インターネットによるアンケート調査
・調査期間:2023年8月4日(金)~6日(日)
・調査対象者:全国の10-60代男女1,200名
※各年代男女 200名均等割り付け
※睡眠障害の恐れがある方、睡眠課題の治療のため病院やクリニックを受診している方を除く
※数値については、小数点第1位までの掲載としています。回答結果はパーセント表示を行っており、小数点以下第2位を四捨五入して算出しているため、各回答の合計が100%にならない場合があります。
■睡眠の悩みがあると回答したのは約7割 深睡眠とレム睡眠、2つの睡眠バランスが乱れている可能性あり
全国の10~60代の男女に睡眠に関する悩みについて質問したところ、全体の約7割が何かしら悩みがあると回答し、悩みの1位は「日中眠たくなる」(26.8%)、2位「眠りが浅く、熟睡感が得られない」 (24.1%)、3位「寝ても疲れが取れない」 (23.0%)でした。
今回の調査結果から、睡眠コンサルタントの友野先生は、「睡眠の質に影響を与える悩みを多くの人が抱えているようです。特に項目に挙げた睡眠の悩みは、“ノンレム睡眠の中でも深い睡眠である深睡眠とレム睡眠、この2つのバランスが乱れる”ことによって睡眠の質を低下させます。悩みの種類の項目が、1つでも当てはまった人は睡眠バランスの乱れ予備軍、2~4つの人は要改善軍です。5つ以上の場合は1度睡眠外来などで気軽に専門医にご相談ください。」と考察しています。
■質の高い睡眠=ぐっすり深く眠ることだけが重要と誤解!?
3人に2人以上がレム睡眠よりも深睡眠を多くとることが重要と思い込んでいる
睡眠に関する悩みがあると回答した人(817名)に、睡眠に関する知識を問う設問では、レム睡眠とノンレム睡眠の2種類の状態があることは9割以上の人が、また、ノンレム睡眠の中でも一番深い深睡眠、覚醒に向かうレム睡眠については、全体の6割以上の人がそれぞれ認識していることがわかりました。
一方で、「睡眠の質を高めるためにはレム睡眠よりも深睡眠を多くとることが重要である」という問いに「はい」と回答した人が64.7%、「いいえ」と回答した人が35.3%という結果に。このことから、回答者の半数以上がレム睡眠よりも、深睡眠のほうが大事だと思い込んでいるということがわかります。
■睡眠に悩んでいる人の半数以上が目覚めてから布団を出るまでに5分以上かかっている
すっきり起きられていない実態が明らかに
睡眠に関して悩みがあると回答した人(817名)に「目覚めてから布団を出るまでにかかる時間(一度目覚めてからの二度寝などの時間も含む)」を平日・休日それぞれ聞いたとこ
ろ、「5分以上かかる」と回答した人は平日で52.2%となりました。また、休日になるとその割合は増え、65.4%に。さらに、30分~1時間未満もしくはそれ以上と回答した人の割合は2倍に増えました。平日、休日ともにすっきり起きられず、布団の中で一定数時間を過ごしてしまう人がいるという実情が見てとれます。
■睡眠に悩んでいるにも関わらず、約半数が「見て見ぬふり」
対策したことがある人も、2人に1人以上が効果を実感していない
睡眠に関して悩みがあると回答した人(817名)に「睡眠の質を高めるために過去・現在行ったことがある対策方法」を聞いたところ、対策したことがあると回答した人は全体の約半数(56.4%)という結果となりました。一方で、残りの半数の人は自覚があるにもかかわらず、特に対策を行っておらず、「見て見ぬふり」をしている状態だということがうかがえます。また、対策経験がある人(460名)に「対策を行った結果、睡眠の質は上がったか」と質問したところ、2人に1人以上が「効果を実感していない」と回答し、有効な対策をとれていない迷子状態であることもわかりました。
■睡眠の質を上げるには、深睡眠とレム睡眠、2つの睡眠バランスが重要!
まずは自分の睡眠を正しく知ることが、良い睡眠の近道。
調査監修:友野なお 先生
睡眠コンサルタント、株式会社SEA Trinity代表取締役
順天堂大学 大学院スポーツ健康科学研究科博士前期課程にて睡眠を研究し、修士号を取得。現在は、千葉大学大学院 医学薬学府 先進予防医学 医学博士課程にて睡眠とソーシャルキャピタルをテーマに研究を行う。日本公衆衛生学会、日本睡眠学会、日本睡眠環境学会 正会員。
■ 今回の調査を受けて
睡眠は私たちの人生の3分の1を占めています。そんな睡眠をおざなりにしてしまうと、必ず健康を害するということがたくさんの学術的な報告からわかっています。睡眠の質=健康の質であり、生活習慣の中でも睡眠がいかに大事かということを私も日々お伝えしています。
今回の調査結果から、生活者の約7割が睡眠に関する悩みを抱えており、睡眠の質の低下につながる “深睡眠とレム睡眠、2つのバランスが乱れている”傾向があるということが初めて実態として示されたのではないかと思います。また、睡眠に悩んでいるにもかかわらず、「見て見ぬふり」をしている人の多さにも改めて驚きました。まずは、自分の睡眠と向き合うことが重要です。そのうえで、寝起き・日中・夜寝る前など1日のサイクルの中で、ちょっとした睡眠対策を実践することで、睡眠バランスが整い、質の良い睡眠につながるでしょう。
「ノンレム睡眠の中でも深い睡眠である深睡眠」と「レム睡眠」2つの睡眠の重要性を知り、そのバランスを整えることで、少しでも多くの方が質の良い睡眠をとれるよう、睡眠バランスの重要性についてより多くの方々に知っていただけたらと考えています。
■ 睡眠バランスとは?
睡眠バランスとは、ノンレム睡眠(深睡眠)とレム睡眠の2つのバランスのことを指します。質の高い睡眠には、ノンレム睡眠(深睡眠)・レム睡眠どちらも十分に取れていることが重要です。私たちはぐっすり深く眠ること=質の高い睡眠と思いがちですが、実はそれだけでは不十分です。
すっきり目覚めるためには睡眠の後半に現れるレム睡眠の時間が確保されていることも重要なのです。深睡眠をしっかりとれているはずなのに、翌朝すっきり起きられないという人はレム睡眠が足りていない可能性があります。
つまり、ぐっすり深く眠る深睡眠だけでなく、すっきり起きるレム睡眠の2つのメリハリがあり、それぞれのバランスがとれていることが、質の高い睡眠の条件です。
■ 睡眠バランスが乱れるとどうなるのか?
睡眠バランスの乱れは、睡眠の質の低下につながります。たとえば、眠りが浅く熟睡感が得られなかったり、夜中何度も目が覚めてしまったり、朝すっきり起きられないという人は睡眠バランスが乱れている可能性があります。大切なのは自分の睡眠を正しく知ること。最近は自宅でも自分の睡眠時の状態を測ることができるデバイスも登場しているので、そういったものも活用しながら自分の睡眠と向き合うことがまず初めの1歩として重要です。
※以下イメージ
■ ウェルネス総合研究所 睡眠バランス研究プロジェクトが始動 8/24(木)にサイトを公開
毎日繰り返す睡眠は日中のパフォーマンス、さらには健康にまで深く影響を与えています。ウェルネス総合研究所では、「睡眠バランス」の重要性を発信していくことを目的に、最新研究などを紹介する「睡眠バランス研究プロジェクト」サイトを公開しました。
専門家にも参画いただき、睡眠バランスに関する研究結果や取り組みなどを紹介していく予定です。
◆WEBサイト:https://wellnesslab-report.jp/pj/sleep/
<ウェルネス総合研究所 概要>
人生100年時代を迎えたいま、健康寿命を延ばし、豊かな人生を送ることへの社会的関心はますます高まっています。私たちウェルネス総合研究所は、独自の視点で健康・ウェルネスに関する情報の調査・集積・発信を行なってまいります。また、人々の健康やQOL向上を助ける食品・医薬品・化粧品・運動などに関わる団体・企業に向けた、コンサルティングを実施し、人々の健康維持・改善を実現する、健康・ウェルネス産業の発展に寄与してまいります。
◆WEBサイト:https://wellness-lab.org/
引用:PR TIMES