敷布団の洗濯手順まとめて解説!自宅とコインランドリーで洗う方法
毎日使う敷布団は、定期的に洗濯することで清潔な状態を保ちやすくなります。ただし、自宅やコインランドリーで洗えない布団もあるため、注意が必要です。事前にチェックすべき項目や自宅での洗濯の仕方・コインランドリーの使い方などを知り、敷布団を洗濯しましょう。
敷布団を洗う前に確認したい三つのこと
敷布団の洗濯前には、チェックしておくべきことがあります。大切な布団を良好な状態に保つためにも、三つの確認項目を忘れずチェックしましょう。
洗濯する頻度 入れ替えのタイミングで
眠っている間に、かいた汗を吸収し、フケやアカといったタンパク質汚れも付着しやすい敷布団は、汚れやすい寝具です。清潔に使い続けるためには、定期的な洗濯が欠かせません。
ただし、洗濯をしすぎても、かえって敷布団を傷める可能性があります。デリケートな素材を傷つけることや、詰め物が偏ってしまうことがあるのです。
そのため、適度な頻度で洗濯することが大切です。清潔さをキープしつつ、敷布団が傷みにくい洗濯の頻度は『1年に約2回』です。春と秋の季節の変わり目に洗濯をすると、ちょうどよいでしょう。
季節ごとに敷布団を入れ替えている場合には、収納前の洗濯を習慣にすると、次のシーズンも気持ちよく使えます。
洗濯タグの表示をチェック
実際に洗濯をする前に、洗濯タグの表示を確認することも必要です。チェックせずに洗濯をすると、敷布団が傷んでしまい使えなくなる、ということにもつながりかねません。
自分で洗濯ができるのは『洗濯機マークと手洗いマークの表示がある敷布団のみ』です。事前にマークを確認し、正しい方法で洗濯することで、敷布団を長く使い続けられます。
キルティング加工されているか
洗濯機マークや手洗いマークがあったとしても、キルティング加工がされていない敷布団は、自宅での洗濯に向いていません。
キルティング加工とは、裏地と表地の間に中の素材をはさんで、ミシン縫いをする加工のことです。キルティング加工がされているものは、中の素材が動かないため型崩れしにくく、お手入れがしやすいという特徴があります。
一方、キルティング加工がないものは『中の素材が動きやすく型崩れしやすい』のです。ひもやベルトなどで縛り、中の素材をある程度固定はできますが、絶対に型崩れしないとはいえません。
敷布団を自宅の洗濯機で洗う方法
敷布団は自宅の洗濯機で洗えるのでしょうか?洗濯機と敷布団のサイズによっては、洗えないこともあるため、注意が必要です。洗濯前のポイントと、洗濯機で洗えない場合の方法を紹介します。
洗濯機で洗えるか確認する方法
洗濯機には容量があります。容量を無視して敷布団を洗濯し始めると、故障の原因になることもあるため、注意が必要です。まずは『取扱説明書で布団が洗えるかをチェック』します。
洗濯機の容量が約5kgでシングルサイズの敷きパッドや肌掛け布団、ファミリータイプの約7〜8kgでセミダブルサイズ・ダブルサイズの敷きパッドを目安として、これ以上大きければ風呂場など広いスペースで洗いましょう。
また、布団が洗える洗濯機であったとしても、扱えるのは肌掛けや掛布団のみという場合もあります。洗濯機の容量と同時に、洗える布団の種類やサイズもチェックしておきましょう。
専用の洗濯ネットに入れて洗う
デリケートな敷布団の素材を、洗濯によるダメージから守るには、洗濯ネットを使用すると安心です。大きな洗濯物をそのまま入れられる洗濯ネットを用意すると、すっぽり敷布団が入ります。
敷布団専用の洗濯ネットは使いやすく便利です。中まで水が浸透しやすい形状に固定できるタイプもあるため、より洗濯がしやすくなります。
風呂場など広い場所を使って洗う
洗濯機に敷布団が入らない場合は、風呂場のように広くて水の使える場所で洗います。
まずはシャワーで敷布団に水をかけて、表面のほこりをざっと洗い流しましょう。そして、浴槽内にぬるま湯をため、中性洗剤を溶かします。
そこへ、三つ折りにした布団を約30~60分漬け込み、洗剤液を内側まで染み込ませるのです。漬け置きした後は、足踏み洗いをします。ひっくり返して全ての面を丁寧に洗いましょう。
汚れが溶けだした洗剤液を流したら、シャワーをかけながら水をため、足踏み洗いですすぎをします。洗剤の成分がきれいになくなり、泡が出なくなるまで、最低2回は水を交換しましょう。
カビ予防のためにも、繰り返しすすぎを行うことが大切です。
敷布団を乾燥させるポイント
自宅で洗った敷布団を乾燥させるのは時間がかかるものです。できるだけ乾きやすくするためのポイントを押さえ、効果的に乾かしましょう。
しっかり水を抜いておく
まず大切なのは、早い段階でできる限りの水分を抜くということです。洗濯した敷布団はたっぷり水を吸っているため、そのままでは乾かしにくく、重すぎて干す場所まで運べないことも考えられます。
そのため、まずは放置して水を抜きましょう。風呂場で洗濯をしたなら『浴槽のふちに約30~60分かけておく』と、水が抜けてきます。
このとき、敷布団を押す・踏むといったことはしない方がよいでしょう。傷みや型崩れの原因になる可能性があります。
また、できるだけ水分が抜けやすくなるように、浴室乾燥機がある場合には乾燥モードで使用しましょう。乾燥ができない場合には、窓を開けたり換気扇をつけたりして、できるだけ乾きやすい環境を作ります。
風が通るように物干し竿は2本使い
敷布団の干し方にもポイントがあります。2本の物干し竿を使い、横から見て『M字になるように敷布団を干す』のです。物干し竿を2本使いにすることで、敷布団の表も裏も風が通りやすくなります。
物干し竿が1本しかない場合には、ハンガーを活用しましょう。
敷布団の重みに耐えられる丈夫なハンガーを数本物干し竿にかけ、その上から敷布団を干すと、物干し竿の2本使いのように敷布団の両面に風が当たりやすくなるのです。
1日では中まで完全に乾き切らないこともありますが、日が暮れたら1度室内に取り込み、椅子などに渡してかけておきます。
翌日太陽が昇ってから、改めて外で敷布団を干すと、からりと気持ちよく乾かせるのです。
表裏や向きを変えながら乾かす
物干し竿の2本使いで効率的に乾燥させたとしても、日の当たる表と陰になる裏では乾き方に違いが出ます。そのため、乾燥中は表裏の向きを変えながら干すと乾きやすくなるのです。
全体にまんべんなく日光が当たるように、数時間おきに表裏をひっくり返したり向きを変えたりします。時間帯によって日光の当たり方が変わるため、可能であれば日当たりのよい場所へ移動させましょう。
敷布団の洗濯はコインランドリーが便利
家庭用の洗濯機は、容量もパワーも敷布団を洗濯するのに不足していることがあります。そこで便利なのが、業務用洗濯機を使用できるコインランドリーです。
布団を丸洗いできる
大きな敷布団を家庭用洗濯機で丸洗いするのは難しいこともあります。しかし、大きな業務用洗濯機を置いているコインランドリーなら、敷布団でも軽々丸洗いできるところもあります。
一見するときれいに見えても、内側には汗が染み込み、たんぱく質汚れが付着しやすい敷布団は、思いの外汚れていることが多くあります。そのため、コインランドリーで丸洗いすることで『すっきりきれいにできる』のです。
天日干しをしても取れなかった汗の臭いが、コインランドリーでの洗濯で落ちる可能性もあります。
乾燥まで終わらせられる
乾燥機があるコインランドリーなら、洗濯した『当日のうちに敷布団をふかふかに乾燥』させられます。
自宅で洗濯をすると、完全に乾くまでに1日以上かかることもある敷布団ですが、パワフルな乾燥機を使用できるコインランドリーなら、数十分程度で乾くのです。
そのため、1年中同じ敷布団を使っているといった理由で、洗濯をスピーディーに終わらせたいときには、コインランドリーが向いています。
ダニ防止・防菌効果を期待できる
ダニは高温に弱い性質がありますが、自宅で天日干しするだけでは除去することは難しいです。
コインランドリーの乾燥機は、高温の風を吹き付けて敷布団を乾かします。機種によっては、約100℃以上の熱風が出るものもあるのです。
一般的に、布団に残ったダニは50℃で約30分、60℃以上であればより短時間で退治できるといわれます。コインランドリーに設置している一般的な乾燥機で約85℃、高温タイプ80℃~120℃まで温度が上昇するため、ダニの防止・除菌に一定の効果が期待できるのです。
また、数十分で内側までふかふかに乾燥させられるため、中に残った水分が原因でカビが発生するといったリスクも避けられるでしょう。
コインランドリーで敷布団を洗う手順
初めてのコインランドリーでは、敷布団を持ち込んでもどのように洗濯すればよいのか、戸惑うこともあるかもしれません。そこで、敷布団を洗う手順を紹介します。
蛇腹折りにする
大きなコインランドリーの洗濯機でも、敷布団を広げたままでは入れられません。そこで効果的に洗濯できる蛇腹折りにします。敷布団を蛇腹折りにすると、内側まで水が届き洗いやすくなるためです。
また、店舗によっては、布団のたたみ方が指定されている場合もあります。どちらにしても、内側にまでしっかり水が届きやすくなることを意識して折りたたんでから、洗濯機に入れるのがポイントです。
保護カバーを使うと安心
中の素材が型崩れを起こしやすい敷布団は、保護カバーを使うと安心できます。
例えば、キルティング加工のされていないものや、打ち直しのタイプなどです。そのまま洗濯をすると、中の素材が偏り使えなくなるかもしれません。
保護カバーはネット状になっており、くるくる巻いた敷布団にかぶせて使います。真ん中で二つ折りにして固定すればOKです。
コインランドリーによっては、保護カバーを用意してあることもあるため、必要な場合には事前に確認しておくとスムーズです。
洗濯後、しっかり乾かす
洗濯が完了したら、敷布団の中までしっかり乾かします。乾燥機に約40分かけて、乾き具合を確認しながら時間を追加すると無駄がありません。
乾き具合を確認するときには、少し冷めるまで待つのがポイントです。温かいままだと湿っていても分かりにくいため、時間を置いて確認すると分かりやすくなります。
また、途中でひっくり返すと効率的です。熱風の当たりやすい場所を変えることで、敷布団の中心部分まで乾きやすくなります。より短い時間で乾燥させられるため、時短と同時に料金の節約にもなる方法です。
コインランドリーで敷布団を洗うときの注意点
丸ごと敷布団を洗えるコインランドリーは便利です。しかし、注意点を踏まえて利用しないと、敷布団を傷めてしまうことや、せっかく訪れても洗濯できないことがあります。
素材によっては洗うことが難しい
まず確認するのは敷布団の素材です。丸洗いが可能なコインランドリーでも『素材によっては洗えない』ことがあります。
例えば、水にぬれると硬くなり劣化する真綿の敷布団や、水洗いで縮むウールの敷布団は、水で洗うコインランドリーでの洗濯には不向きです。誤って洗濯してしまうと、布団をダメにしてしまいます。
コインランドリーで洗濯できるのは、洗濯機マークが付いているものと、手洗いマークが付いている化繊の布団です。洗濯表示を確認し、条件に当てはまる敷布団であれば、ほとんどのものが問題なく洗濯できます。
事前に設置マシンを確認しておく
業務用洗濯機が導入されているコインランドリーでも、全ての店舗で敷布団に対応している洗濯機があるわけではありません。中には、敷布団の洗濯ができない店舗もあるのです。
実際にコインランドリーを訪れる前に、どのような洗濯機が設置されているのか、確認しておくと二度手間になることなくスムーズに洗濯ができます。
敷布団を洗える洗濯機がある場合でも、コインランドリーによって扱っているマシンは違います。洗濯機と乾燥機が別々、乾燥まで一気にできる一体型、布団の洗濯・乾燥に特化した機種などがあるのです。
使える洗濯機や乾燥機の機能を比較し、利用するコインランドリーを選ぶ方法もあります。
敷布団を衛生的に保とう
定期的な洗濯で清潔にするのはもちろんですが、日々のお手入れでできるだけ汚れや不衛生な状態を避けることも大切です。敷布団をきれいにキープしやすくするポイントを知り、日々の習慣にしましょう。
敷きっぱなしにしない
まず大切なのは、敷布団を敷きっぱなしにしないことです。『起床後に上げ、就寝時に下ろすのを毎日の習慣』にしましょう。
敷きっぱなしの万年床では、敷布団と床の間に湿気がたまりやすく、カビやダニの発生につながる可能性があります。布団はもちろん、床にまでカビがびっしり生えることもあるのです。
忙しくつい敷きっぱなしになる人や、家族が自分の布団をそのままにしがちというときには、吸湿マットを使うのが良いかもしれません。敷布団と床の間に敷くことで、湿気を吸い取ってくれます。
吸湿マットの中には、すのこタイプになっていて、通気性の向上に役立つものもあるため、ライフスタイルに合わせて選びましょう。
定期的に天日干しをする
定期的に天日干しをすることも、衛生的な敷布団の状態を保つためのポイントです。天気のよい乾燥した日を選び、湿度の低い10:00~15:00ころに干しましょう。
両面にまんべんなく日光が当たるよう、ひっくり返すことも大切です。ただし、長く干しすぎると、ほこりの付着・敷布団の生地の劣化につながることがあります。『干す時間は約2~3時間』が目安です。
また、カバーやシーツで敷布団を覆って干すと、紫外線によるダメージを防ぎやすくなります。
干した敷布団は取り込むときにたたくものと考えている人もいるかもしれませんが、実際には軽く払う程度でOKです。たたきすぎで生地や中の素材を傷めてしまうことがあるため、注意しましょう。
シーツや敷きパッドを使う
敷布団に汚れが付くのを防ぐために、シーツや敷きパッドを使用することも大切なポイントです。
毎日、敷布団にシーツや敷きパッドを装着することで、眠っている間の寝汗や、皮脂・アカ・フケなどの汚れが敷布団に直に付くのを防げます。
これらの汚れが敷布団に付着した場合、ダニやカビが発生しやすい環境になってしまい、衛生状態を保ちにくくなってしまうでしょう。健康への悪影響も考えられます。
また、使っているシーツや敷きパッドを清潔に保つことも重要です。つけっ放しで使用していると、シーツや敷きパッドに汚れが浸透し、敷布団にまで達することがあります。
小まめに取り外して洗濯することで、清潔を保ちやすくなるのです。
まとめ
敷布団の洗濯は、衛生的な睡眠の環境を整えるために大切なお手入れです。1年中使い続けている場合でも、半年に1回程度の頻度で洗濯をするとよいでしょう。
洗濯機マークや手洗いマークが付いている敷布団なら、自宅でも洗濯ができます。ただし、無理に洗濯機を使うと故障の原因になることもあるため、風呂場での足踏み洗いが必要かもしれません。
業務用洗濯機で丸洗いできるコインランドリーを活用すると、敷布団の洗濯がラクになります。乾燥機があるコインランドリーなら、当日中にふかふかの清潔な布団で眠れるため、うまく活用しましょう。