掛布団の中材は羽毛がおすすめ。羽毛の魅力と選び方のポイントは?
羽毛掛布団は「軽くて暖かい」など魅力が多く、人気の高い掛布団です。ただし、種類はさまざまあり、いざ選ぶとなるとどれを選ぶべきか迷ってしまうかもしれません。羽毛掛布団の魅了や選び方、さらにはおすすめの羽毛掛布団を紹介します。
羽毛掛布団に使われる主な種類
羽毛掛布団とは、水鳥の羽毛を詰めて作られた掛布団です。水鳥は主に『ダック』『グース』の2種類あり、どちらの羽毛が使われているかによって弾力性や暖かさは異なるといわれています。それぞれの種類について詳しくみてみましょう。
ダック
ダックとはアヒルの羽毛です。綿毛ともいわれる『ダウンボール』のサイズは、もう1種の主な羽毛布団の中綿であるグースと比較して小さめです。
また、羽毛に臭いを感じやすいのもダックならではといえるでしょう。ダックは一般的にいろいろな物を食べる雑食動物です。肉類なども食するため体に油脂が付きやすく、その臭いが羽毛からも漂うことがあります。
ただし価格は低めなので、気軽に使いやすいといえるでしょう。
グース
グースとはガチョウの羽毛を指します。個体はダックの2倍程度あるとされるため、採取できるダウンボールも大きくなります。
また、グースから採れるダウンボールはハリとコシがあって柔らかく、壊れにくいのが特徴です。ダックと比較すると軽量でボリューム感も高いといえます。
さらに、羽毛の臭いが少ないのもグースの特徴の一つです。グースは基本的に草食で、肉を食べません。そのためダックにあるような油脂の臭いが付きにくく、臭いが気にならないのです。
品質面での満足度が高い分、グースの羽毛の方が高額となります。
中材が羽毛の布団には、どのような魅力がある?
羽毛掛布団の特徴や魅力は、『水鳥の羽根を使っている』ことに由来します。中材が羽毛だった場合、どのような点が優れているといわれるのでしょうか。羽毛掛布団の魅力を紹介します。
軽くて暖かい
羽毛掛布団の魅力としてまず挙げられるのが『軽量であること』『暖かいこと』です。
掛布団にもよりますが、羽毛掛布団はシングルなら1400g程度といわれています。寝返りを打ちやすい上に圧迫感もさほどありません。体に負担を掛けずに眠りやすいのは大きな魅力といえます。
また、羽毛は空気を多く含むため、かさ高性(フィルパワーといい羽毛のふくらみ度合いを示す数値)に富んでいます。加えて暖かい空気を逃がさないため高い保温性を有します。厚みがあり暖かい羽毛掛布団なら寒い季節でも心地よく寝られるでしょう。
吸湿性、放湿性に優れている
吸湿性・放湿性に優れているのも羽毛の特徴です。就寝中の汗や湿気を吸収して発散してくれるので、蒸れを感じずに眠れるでしょう。
夏場など湿度が高く汗をかきやすい季節にも重宝するはずです。
湿気がこもりにくく、お手入れがしやすい
羽毛は湿気を吸収してもすぐに発散するため、掛布団内部に湿気がこもりにくいといわれています。綿布団のように小まめに天日干しする必要はなく、お手入れは容易といえるでしょう。
普段のお手入れは、室内の風通しのよい場所に干すなどすれば十分です。
羽根布団との違いを確認
羽毛布団とよく似たものに『羽根布団』があります。価格は羽毛布団より安価なケースが多いため「こっちでもよいのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、羽根布団と羽毛布団には大きな違いがあります。それぞれの違いについてみてみましょう。
羽の種類と比率が違う
『ダウン』の比率が50%以上だと『羽毛布団』、『フェザー』の比率が50%以上だと『羽根布団』といわれます。
ダウンとは前述したダウンボールのことで、水鳥の胸部に密生しています。羽軸がなく、タンポポの綿毛のようにフワフワしているのが特徴です。
一方フェザーとは水鳥の腹部周辺に生えている羽毛です。羽軸はありますが羽全体が柔らかく、弾力性があります。
一般に高品質といわれるのはダウンが多く使われている布団です。品質のグレードでいうと、ダックよりグース、グースの中でもマザーグースのダウンがとりわけ品質が高いといわれています。
保温性や寝心地にも差がある
ダウンの比率が高い羽毛布団とフェザーの比率が高い羽根布団を比較すると、保温性や寝心地がよいとされるのは羽毛布団です。
まずダウンは寒いときにはたくさんの空気を含み、膨らみます。体温から伝わった熱を逃さずキープできるため、羽毛布団の方が暖かいといわれているのです。
一方フェザーにはこのような保温性はないとされています。従ってフェザーを多く使った羽根布団は保温性では羽毛布団に劣るといえるでしょう。
また綿毛であるダウンをたくさん使った羽毛布団は、やわらかく軽く、快適な寝心地です。対して羽根布団は、羽軸が硬く体に当たります。ゴツゴツした肌当たりがある上に羽毛布団よりは重いので、寝心地でも羽毛布団にはかなわない場合が多いでしょう。
掛布団のサイズ
羽毛掛布団を快適に使うためには、体形や用途に合うものを選ぶことが大切です。
いろいろなポイントを見ながら納得できるレベルの羽毛掛布団を見つけても、サイズを選び間違えると後悔することになりかねません。羽毛掛布団を購入する前に、まずは掛布団のサイズについてもチェックしておきましょう。
1人用ならシングルかセミダブル
1人用の羽毛掛布団を探している場合は、サイズは『シングル』『セミダブル』が望ましいといえます。
まず標準体型の人におすすめなのが、ごく一般的なシングルサイズの『幅150cm×長さ210cm』の掛布団です。シングル敷布団のサイズが『幅100cm×長さ200cm』なので、それよりはやや大きめな仕様です。
また標準よりやや大柄な人は、シングルサイズでは物足りないかもしれません。セミダブルサイズの方がしっくりくるでしょう。こちらは『幅170cm×210cm』が一般的なサイズです。
2人用ならダブルかクイーン
『ダブル』『クイーン』は2人寝用におすすめのサイズです。サイズはそれぞれ『幅190cm×長さ210cm』『幅210cm×長さ210cm』とされます。
しかし、ダブルサイズはセミダブルと幅20cmしか変わりません。標準体型の人あるいは大柄な人が使うと窮屈に感じることもあるでしょう。
ある程度余裕を持って2人寝をするならクイーンサイズを選ぶと快適に眠りやすくなります。
家族用ならキング
大人2人、小さな子ども1人など、家族で使う場合は『キング』サイズがおすすめです。サイズは『幅230cm×長さ210cm』が一般的とされます。
ただし、商品に『キングサイズ』の表示があっても、全て同じサイズとは限りません。キングサイズは、生産国やメーカーによって幅や長さが異なるケースが多々あります。購入時には、必ず実寸を確認するようにしましょう。
羽毛掛布団選びのポイント
羽毛掛布団とひとくくりにしても、特徴や寝心地はそれぞれ異なります。好みや用途にあう羽毛掛布団を選ぶにはどのような点に注意すればよいのでしょうか。羽毛掛布団を選ぶときにチェックしておきたいポイントを紹介します。
ダウン率の目安
羽毛布団の魅力を最大限に生かすなら、ダウン率は80%以上がおすすめとされています。
羽毛掛布団のタグなどには、『ダウン○%』などと記されています。これがダウン率で、その掛布団に含まれる羽毛の割合です。
一般にダウン率が高いほど掛布団は保温性・フィット感も高くなり、高品質とよばれます。
ダウン率が80%を下回ると、フェザーの羽軸を強く感じるようになります。肌当たりに違和感を感じたり重く感じたりすることもあるようです。
ダウンパワーの数値
『ダウンパワー』とは羽毛の品質や弾力性を数値化したものです。単位は『dp』で表わされ、数値が高いほど羽毛に弾力があり保温性に優れていると考えられます。
日本で販売されている羽毛布団の多くは300~460dp程度だそうです。選ぶときは350dp程度を目安にするとよいでしょう。『より暖かい羽毛布団を』という場合でも400dp程度あれば十分ではないでしょうか。
ただし、ダウンパワーを見るときはダウン率、そして羽毛の品質も合わせて確認しておくといいでしょう。
ダウン率が低いと、弾力はあるものの保温性に劣る恐れがあります。また羽毛の洗浄が不十分だと、不純物が混じるケースも少なくありません。良品の羽毛掛布団を探している人には向かないかもしれません。
キルトの種類と側生地の素材
キルトの種類と側生地の素材は、羽毛掛布団の寝心地に影響します。
キルトとは『羽毛布団の縫製技術』です。羽毛が偏らないよう調整するほか、布団の中に空気層を作って保温性を高めたり体へのフィット感を高めたりする役割があります。
種類はタタキキルト、立体キルト、二層キルト(ツインキルト)などが一般的です。このうち立体キルトや二層キルト(ツインキルト)は保温性が高いといわれ、寒い季節に重宝するでしょう。
また側生地は綿の配合率が高いほど肌当たりがよいとされます。選ぶときは番手の数字が高いものを選ぶと繊維が細く寝心地がよいそうです。日常使いするのなら『綿100%(60番手)』くらいがコスパ良好で、おすすめできます。
羽毛掛布団の正しいお手入れ方法
羽毛掛布団をなるべく長く使いたいなら、お手入れにも手を掛けるのがベターです。羽毛掛布団を購入する前に、正しい使い方やお手入れ方法について確認しておきましょう。
カバーをかける
掛布団を使うときは必ずカバーを付けましょう。こうすれば擦り切れや傷みを恐れずにすむ上に、汚れも付着しにくくなります。カバーだけなら頻繁に洗えるため、掛布団を衛生的に気持ちよく使えるでしょう。
また、カバーで肌当たりや暖かさを変えられるのも大きな魅力です。暑い季節は清涼感のある麻、寒い季節は起毛素材の暖かいカバーと使い分ければ、一年通じて快適に掛布団を使用できるでしょう。
月2回くらい天日干しをする
羽毛掛布団ならではの弾力やボリューム感をキープするなら、月2回程度天日干しするのがおすすめです。
まれに「羽毛布団は天日干ししない方がよい」などといわれることがあります。これは羽毛の性質によるものではなく、側生地が傷みやすくなるためです。
側生地が劣化すると、中の羽毛が飛び出てくる恐れがあります。羽毛布団特有のボリューム感が失われ、弾力も減少してしまうかもしれません。
羽毛掛布団を天日干しする場合は、片面ずつ1時間、計2時間程度がよいでしょう。それでも劣化が気になるときはカバーを付けたまま干せば、より安心です。
汚れや臭いが気になるときはクリーニングへ
羽毛掛布団の臭いや汚れが気になったら寝具に詳しいプロにクリーニングしてもらいましょう。
掛布団には汗や皮脂汚れが付着するため、長く使うほど臭いや汚れが付きやすくなります。これを放置すればダニやカビが増殖し、掛布団を衛生的に使うのは難しくなるでしょう。
羽毛掛布団を清潔に使うためには洗濯が有益です。
とはいえ、家庭での洗濯はおすすめできません。羽毛は極めてデリケートな素材です。家庭で洗濯すると羽毛の風合いが失われ、元に戻らなくなる恐れがあります。せっかくの布団を台無しにしないためにも、クリーニング店に任せましょう。
春夏用におすすめの羽毛掛布団
一年の内でも気温が高めな春夏は、通気性がよくお手入れ簡単な羽毛掛布団が望ましいでしょう。特に春夏用におすすめの羽毛掛布団を紹介します。
洗濯機で洗える タンスのゲン「ダウンケット ホワイト ダック ダウン 85%」
汚れや汗、臭いが気になったときは洗濯機で洗えます。温度や湿度が上がると、掛布団の汚れも気になってくるものです。気軽に洗濯できるのは、大きなメリットといえます。
また、中材には高品質なホワイトダックダウンが約85%使用されています。しかもキルトは36マスで区切られており羽毛が偏りにくい仕様です。
総重量は約760gと軽いため、寝苦しさも感じにくいでしょう。
羽毛が偏りにくい 昭和西川「ウォッシャブル羽毛肌掛け布団 ダック50%」
キルトは横に6マス、縦に8マスです。羽毛が偏りにくいため、掛布団の保温性にムラが出にくいといえるでしょう。
また、中材にはダックダウンが約50%、フェザーが約50%使用されています。程よい保温性で、春夏なら気軽に使いやすいでしょう。
汚れが気になるときは、家庭の洗濯機が使えます。
綿100%の側生地 西川「羽毛掛け布団(肌掛け)ウェッジウッド ダウン50%」
側生地は抗菌防臭加工が施してあり、清潔を保ちやすい仕様です。綿100%なので吸水・吸湿性が高く、汗ばみやすい季節には最適といえるでしょう。
プリントのデザインは、イギリスの陶磁器メーカー『ウェッジウッド』の『ワイルドストロベリー』柄です。上品なイチゴ模様が愛らしく、羽毛掛布団の見た目にこだわりたい女性などにおすすめできます。
加えて家庭での洗濯が可能なので、クリーニングに出す時間とお金の手間もかかりにくいといえます。春夏の肌掛けとして気軽に使えるでしょう。
秋冬用におすすめの羽毛掛布団
秋冬用の羽毛掛布団は、暖かさを逃がさない保温性の高いものが人気です。肌寒い季節にぴったりなおすすめの羽毛掛布団を紹介します。
暖かい二層キルト製法 タンスのゲン「羽毛布団 ホワイトマザーグースダウン95%」
羽毛の偏りを最小限に抑える『二層キルト製法』を採用しています。羽毛が掛布団全体に分散されて熱の放出を防ぐため、寒い季節も心地よい暖かさに包まれるでしょう。
また、掛布団の中材には臭いが少なく暖かいといわれる『ホワイトマザーグース』の羽毛が使われています。かさ高は180mm以上、ダウンパワーは440dp以上あるとされるため、高品質な羽毛掛布団を求めている人も満足できるでしょう。
『クリーンオゾン加工』が施してあるため、除菌・防臭・防ダニ・防カビ効果も期待できます。7年保証も付いており、長く愛用できる羽毛掛布団です。
暖かさとフィット感を重視 西川「羽毛掛けふとん ポーリッシュホワイトグースダウン95%」
西川独自の『グランポリゴンキルト』を使用し、暖かさとフィット感を高い羽毛布団です。
掛布団が体に密着しやすい上体部分が暖かいので布団の熱が逃げにくく、心地よい暖かさを実感できるでしょう。
また側生地は『インド超長綿』で肌当たりがよく、滑らかな風合いです。加えて抗菌防臭加工が施してあり衛生的に使えます。
値段は高めですが、ダウン率は約95%と高く、使われているのは羽毛大国・ポーランドのグースダウンです。東京西川独自の『フレッシュアップ加工(R)』が施されており、ふっくらした感触を実感できるでしょう。
肌触り抜群 日本寝具通信販売 「ドイツ産ホワイトマザーグースダウン95% CILブラックラベル」
側生地は通気性・吸湿性の高い綿100%生地が使われています。肌触りもよく、快適な使用感が得られるでしょう。
掛布団の中材に使われているのはホワイトマザーグースです。良質な羽毛を二層立体キルト加工で仕上げ、羽毛の偏りを極力少なくしています。
羽毛そのものにアレルギー原因を除去する『アレルGプラス』のほか、除菌・脱臭・防ダニ・防カビ効果が期待できる『クリーンオゾン加工』、羽毛をリフレッシュし不純物を取り除く『ファインアップ加工』なども施されています。
ダウンパワーは約440dpと高く、寒い冬も安心して使えるでしょう。
まとめ
羽毛掛布団は保温性・放湿性が高いのが特徴です。軽量でお手入れも比較的容易なため、扱いやすい掛布団といえるでしょう。
ただし羽毛掛布団のクオリティは、羽毛の種類や配合によって大きく異なります。購入の際は「ダウンかフェザーか」「ダウン率などのくらいか」など細かくチェックすることをおすすめします。
近年は羽毛掛布団の機能性もアップし、自宅で洗えるもの、抗菌防臭加工が施してあるものなどさまざまあります。まずは「どのような羽毛掛布団が欲しいのか」をきちんと考えましょう。購入前に条件をリストアップしておけば、最適な羽毛掛布団を見つけやすくなります。
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