羽毛布団の魅力や選び方を紹介。正しいメンテナンスで長持ちさせよう
高級なイメージがある羽毛布団ですが、そのぶん暖かったり、軽かったりとメリットが多くあります。羽毛布団がどんな特徴を持っているのかや、おすすめの商品について解説します。自分のニーズに合った布団で、快適な睡眠環境を作りましょう。
羽毛布団の魅力
羽毛布団は「寝ごごちのよさを知ってしまうと、他の布団を選ばなくなる」といわれるほど快適な布団です。
とはいえ、初めて羽毛布団を購入する人は、他の布団に比べてどんな点がいいのか分からないことも多いでしょう。まずは、羽毛布団の魅力について見ていきます。
保温性に優れている
羽毛布団最大の魅力は、保温性に優れていることです。羽毛は熱伝導率が小さいだけでなく、空気を多く含みます。そのため、温かい空気と冷たい空気との熱交流を遮断します。
また、羽毛布団は体にフィットするので外の冷たい空気が入りにくく、自分の体温で布団の内部を温めることができます。これらによって、高い保温性が生み出されているのです。
軽く、体を圧迫しない
繊維を積層した中わたと異なり、羽毛はたくさんの空気を含んでいます。そのため、軽く、体を圧迫しないのも魅力といえるでしょう。
高級な羽毛ほど軽いので値段と軽さは比例しますが、安価な羽毛布団であっても、木綿布団に比べれば圧倒的に軽くなります。
重めの布団を使っていると、体が圧迫されがちです。せっかく暖かくても、寝心地が悪く感じてしまっては睡眠を阻害されてしまうでしょう。
羽毛布団のデメリットと注意点
軽くて保温力が高い羽毛布団ですが、デメリットもあります。自分が買い換えたい布団の候補に羽毛布団が入っているならば、メリットとデメリットを比べて比較検討しましょう。
臭いが気になる場合がある
羽毛布団はダック(アヒル)やグース(ガチョウ)の羽と綿の混合でできています。そのため、人によっては動物の匂いが気になるケースもあるのです。
特に羽毛布団の材料として安価で手ごろな素材である、小さいダックを使用している羽毛布団は、臭いが強くなりがちです。また、グースは油脂や汚れが落としにくく、羽毛の洗浄が不十分な場合、臭いが出やすくなります。
フェザーの分量によっても臭いの強さは変わるので、臭いに敏感な人は、割合が低めのものを購入するとよいかもしれません。
また、購入したときには臭いが気にならなかったのに、急に気になるようになった場合は、羽毛布団に湿気がこもり、その湿気により雑菌が繁殖してしまった可能性があります。
天気のいい日に天日干しをすると、湿気が飛んで臭いが解消されやすくなるでしょう。
汗っかきの人は要注意
羽毛布団は保湿性が高いのが特徴なため、体が温まり、汗をかく場合もあります。しかし、羽毛布団の種類によっては、自宅では洗濯できません。
衛生を維持するためには、カバーを使用したり、定期的に干したり、クリーニングに出したりと、手入れをする必要があります。
羽毛が皮脂汚れを吸着し、雑菌が繁殖してしまうと、匂いの原因にもなるため注意しましょう。
羽毛布団の寿命と長持ちのコツは?
羽毛布団は長期間使える布団として知られていますが、実際にはどのくらい使うことができるのでしょうか。平均的な寿命と、長持ちさせるコツについて解説していきます。
正しいメンテナンスで10年以上使える
羽毛布団の寿命は、約10~15年程度といわれています。しかし、定期的に正しいメンテナンスをしているかどうかや、保管方法の良し悪し、使う人の体質によって変動しますので、一概にはいえません。
安価な羽毛布団であっても、正しいメンテナンスを行っていけば、約10年以上は利用できるでしょう。また、高級羽毛布団の場合はより長持ちする傾向にあり、20年ほど品質を保てるものもあります。
定期的に丸洗いや打ち直しをする
汚れたり、形が戻りにくくなったりしているとと感じたら、『布団の打ち直し』や『クリーニングでの丸洗い』をしましょう。布団の中身を取り出して洗浄するクリーニングを行っている布団専門店もあります。
また、定期的に羽毛布団を包むカバーを洗濯することも大切です。長期間使ったカバーは汗・皮脂が付いているため、放置すると臭いの原因になってしまいます。
羽毛布団自体は湿気を放湿させるため、頻繁に干す必要はありません。月に1~2回、1~2時間程度、日に当たる部屋に広げておく程度で大丈夫でしょう。
商品によっては自宅で洗濯できる羽毛布団もあるため、購入時に確認しておくと、どのようなメンテナンスをするべきなのか把握できます。
圧縮袋に入れたり圧力をかけたりしない
保管の際、布団を圧縮袋に入れて押入れにしまったり、上から重いものを載せてスペースを減らそうとしたりする人もいるかもしれません。しかし、羽毛布団に関しては、この保管方法はやめておくようにしましょう。
羽毛布団の側生地は、羽毛が外側に出てこないようにダウンプルーフ加工がされていることがほとんどです。乱雑に扱うと、このダウンプルーフ加工が破れたり傷んだりして、中の羽毛が出てきてしまう可能性があります。
長持ちさせるためには、片付ける際にもできるだけ丁寧に扱いましょう。
羽毛布団は日々のお手入れも大切
羽毛布団は定期的なメンテナンスが必要だと分かったのではないでしょうか。それに加えて、日々のお手入れを行うことによって高い品質をより長く維持することができます。
ここからは、大掛かりではなく、日常生活の中で行えるお手入れ方法について紹介します。どれも難しくありませんので、品質維持のため、実行してみてください。
日干しをして湿気抜きする
羽毛布団は湿気を発散させやすい性質を持っていますが、汗をかきやすい人が使っている場合や、梅雨のジメジメした季節などには、どうしても湿気がこもってしまいます。
そのため、湿気抜きのために、お天気のよい日には日干しをするのがおすすめです。
ただし、長時間日干しを続けて直射日光を当て過ぎると、生地自体が日焼けして逆に劣化してしまいます。カバーやシーツを掛けて、裏表計1時間前後の日干しを行いましょう。風通しのよい所で陰干しをするのも効果的です。
布団カバーを掛ける
羽毛布団自体は、カバーを掛けなくてもキルト加工がされていることが多いので使用は可能です。ですが、カバーを掛けた方が肌触りがよくなり、暖かさや保温力もアップします。
また、カバーを自宅で洗濯できるので、臭いの元になる皮脂汚れの防止にもなり、衛生的に使えます。
カバーを掛ける際は、布団に合ったサイズのカバーを選ぶようにしましょう。大きいものだとずれてしまい、スレや傷の原因になります。
逆に小さ過ぎるものだと、羽毛が圧迫されて品質低下を起こしてしまいます。羽毛布団を購入するときに、一緒にカバーも購入してしまうのがおすすめです。
羽毛布団選びのポイント
羽毛布団は、長く使うからこそ自分に適したものを選びたいものです。高額なものを購入する可能性もありますし、できれば失敗したくないでしょう。
そこで、ここからは、実際に羽毛布団を購入する際に知っておくといいポイントについて解説していきます。これから羽毛布団を購入しようと思っている人は、ぜひ参考にしてください。
羽の種類ごとの特徴を知る
羽毛布団には、フェザー・スモールフェザー・ダウンの3種類の羽があります。種類によって使い心地が変わってきますので、羽の種類ごとの特徴を知って、自分の好みに合ったものを購入しましょう。
フェザーおよびスモールフェザーは硬い軸がある羽です。この軸は復元力に優れているのが特徴で、ダウンと混合されることで、弾力性を発揮します。
ダウンは水鳥の胸の部分に生えている毛のことで、主にダック(アヒル)とグース(ガチョウ)の2種類です。ダック(アヒル)は、ダウンの一つ一つが小さく、保温性や耐久性などもそれほど高くない素材ではありますが、安価で手ごろな素材のためリーズナブルに購入できます。グース(ガチョウ)は高額ですが、空気をよく含み、保湿性の優れた羽毛です。
目的と好みに合った構造を選ぶ
羽毛布団をどのタイミングで使いたいかや、どんな使用感で利用したいかによって選ぶのもよいでしょう。
冬や寒い地域で使いたい場合は、冬がけ布団がおすすめです。暖かい作りになっており、熱を逃がしにくいのが特徴です。一層式タイプが一般的ですが、特に寒い地域で使いたい場合は、ボリューム感のある2層式タイプもよいでしょう。
薄めの羽毛布団もあります。こちらは夏に使用するのに適しており、さらっとした使用感が魅力です。また、冬でもあまり寒くない地域なら、このタイプでも十分かもしれません。
ツインダウンというタイプもあります。こちらは2枚の羽毛布団が合わさってできているタイプです。暑い時期は薄い羽毛布団だけで使い、寒い時期は2枚組み合わせることで暖かくもできます。
側生地選びも重要
側生地(がわきじ)選びも、羽毛布団の使い心地には重要なポイントです。側生地とは、ふとんの中身を覆う布地のことで、側生地の素材や縫い方によって品質や質感が変化します。
側生地の種類は、大きく分けて三つあります。
- 綿やシルクなどの『天然素材』
- ポリエステルをはじめとした『化学繊維』
- 天然素材と化学繊維の混紡
天然素材は通気性や吸湿発散性に優れており、軽さや肌触りもよいのが特徴です。対してポリエステルは、吸湿性が低く蒸れやすいデメリットはあるものの、軽くて安価で丈夫なのが魅力です。
また、織り方によっても質感が変わります。
- 縦糸と横糸を交互に組み合わせる非常にベーシックな平織り
- 光沢があり、しわになりにくいツイル
- 独特な光沢が魅力的で、手触りがよいサテン
自分が羽毛布団に何を求めるのか考えて、側生地を選びましょう。
羽毛布団を選ぶ前に知っておきたいこと
保温性・吸湿性に優れ、軽さが魅力の羽毛布団ですが、機能面や価格はピンキリです。購入に際しては正しい選び方を知っておくことが必要でしょう。
ここからは、大きく二つに分けてそのポイントを解説していきます。
高価格=高品質とは限らない
高価格帯の製品が必ずしもいいとは限らないと覚えておきましょう。
確かに価格の高いものは品質のよい羽毛を使っていることが多いので、羽毛の寿命自体は長いといえます。しかし、側生地に関してはその限りではありません。側生地は、高いものが長持ちするとは限らないのです。
素材自体が高くとも、縫い方が雑なものがあります。ちょっとした縫い目のほつれや針穴程度でも、羽根・羽毛の吹き出しは発生するので、粗悪な縫製だと中身の羽根が徐々に減ってしまうのです。
もちろん、安いもので粗悪なものはあります。そのため、実際に自分の目で確認したり、ネット購入の場合はレビューを読んだりして、よいものを見極めましょう。
信頼できるメーカーで購入するのがおすすめ
羽毛布団は、基本的に中を開けて見ることはできない商品です。羽毛を出して、本当に高級羽毛なのかをチェックすることはできません。ですから、中には、高級羽毛を謳って粗悪な素材を使っている業者も存在しています。
実際、羽毛布団のリフォーム業者で開いてみると、表示とは全く異なる内容の羽毛が入っているのを見つけることもあるといいます。このようなことにならないために、歴史があり、信頼できるメーカーを選ぶのがおすすめです。
また、万が一粗悪な製品を買ってしまい、すぐに布団がへたってしまった場合は、上述のリフォーム業者へ頼むのも一つの手です。
しっかりした業者ならば、中をしっかり入れ替えてくれますので、コストはかかりますが、長持ちする羽毛布団に生まれ変わるでしょう。
おすすめ羽毛掛布団6選
ここからは、おすすめの羽毛掛布団を、六つ厳選して紹介します。コスト的にも、性能的にもバリエーションに富んだものを選びました。これから購入を考えている方は参考にして、あなたに合った羽毛掛布団を探してみてください。
無印良品 グレー羽毛掛ふとん・軽量一層式/S
無印良品から発売されている『グレー羽毛掛ふとん・軽量一層式/S』 は、羽毛布団に最適とされているグレーダックの羽毛を使った掛布団です。価格も2万円を切るので、お買い求めやすいのがメリットといえるでしょう。
室内の温度に合わせて、冬は厚手の毛布を組み合わせたり、秋や春は1枚でも使えます。側生地はポリエステルのため軽く、ステッチを入れることで、羽根の移動を防ぎつつ、均一な温かさをキープしてくれるのが魅力です。
ニトリ かるふわ羽毛掛けふとん S
安くて品質のよい家具を提供しているニトリから発売されている『かるふわ羽毛掛けふとん S』は、中国産のホワイトダックダウンを80%使用した、軽くて暖かい羽毛掛布団です。
特徴は、使われているウォムという汗のニオイも抑えてくれる抗菌防臭技術です。羽毛自体のニオイを軽減しただけではなく、羽毛そのものを消臭羽毛・抗菌羽毛に加工しています。
また、襟元と足元という冷えやすい箇所へ、羽毛を集中的に入れているという点にも注目です。おかげで、真冬でも冷えることなく、暖かい中で睡眠ができるようになっています。
- 商品名:ニトリ かるふわ羽毛掛けふとん S
- 楽天:商品ページ
安眠工場 上質羽毛布団 2枚合せ シングル
ダウンパワー350dpの上質羽毛をたっぷりと使用した、信頼の高い『日本羽毛製品協同組合』の認定を受けた高品質の四つ星エクセルゴールドラベル羽毛布団です。
年中活躍できる2枚合せ・オールシーズンタイプのため、季節や気温に合わせて、一年中、使い勝手よく愛用できます。かさ高性がしっかりしていますので、長期間、風合感が持続します。さらに国内洗浄・抗菌・パワーアップ加工を施しているため、清潔さが長期間続きます。
タンスのゲン 羽毛布団 シングル
丁寧に仕上げた,ホワイトダックダウン93%の日本製の羽毛布団です。かさ高165mm以上、ダウンパワー400dp以上の5つ星 CILゴールドラベルを取得しています。
EK認定のアレルGプラスで消臭・抗菌効果が持続しますので、汗をかきやすい方でも不快感少なく利用できるでしょう。購入から7年以内ならば修理・交換してくれるので、メンテナンスも安心です。
昭和西川 羽毛布団 日本製 ダック 85% シングル
昭和西川 羽毛布団は、ダウンパワー350の軽くて暖かい羽毛掛布団です。シンプルでおしゃれなグレー・ネイビーの側生地は、男性でも女性でも使いやすく、お部屋に馴染みます。
4×5マス立体キルトのため、ふんわり感が逃げにくいのも嬉しいポイントです。
日本寝具通信販売 羽毛布団 シングル
400ダウンパワー以上の高品質なハンガリー産ホワイトマザーグースダウンを93%使用した、保温力抜群の二層立体キルト仕様の羽毛掛布団です。
二層立体キルト加工になっており、暖かい空気を逃しにくく保温性に優れています。
まとめ
羽毛布団は、保温力や軽さに優れており、1枚持っておいて損のない掛け布団といえます。ですが、廉価なもの中には粗悪品も多く、選び方が難しいのも事実です。
中に使われている素材は何か、綿との配合率はどのくらいか、側生地はどのような素材かなどをチェックしてから購入しましょう。いい羽毛布団は、一度購入したら、使い方のポイントを押さえつつしっかり手入れをすることで、約10年以上もあなたの眠りをサポートしてくれます。
今の睡眠環境に不満がある人だけでなく、使っている布団が少しヘタってきているなと感じる人は、購入を検討してみてはいかがでしょうか。
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