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眠れないストレスやイライラの解消法とは。生活習慣を見直そう

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近藤 厚史(上級睡眠健康指導士・第638号、寝具ソムリエ)

上級睡眠健康指導士として、睡眠に悩みを抱える方たちへ睡眠改善のアドバイスや、最適なマットレスや枕などの選定アドバイスをおこなう。より多くの人に睡眠改善のきっかけやヒントを届けるため、「Sleepee」に記事監修として携わっている。

睡眠のトラブルを抱えている人は、眠れないことがストレスになり、イライラしてしまうことも多いでしょう。睡眠トラブルを解消するには、寝つきが悪い原因や正しい解消法を知ることが大切です。また、生活習慣を見直すことも、入眠の向上につながります。

目次

寝つきが悪い原因とは

寝付き 悪い 原因

ベッドに横になっても、なかなか寝付けないことには原因があります。まずは、寝つきが悪くなる具体的な原因を見ていきましょう。

ストレスなど精神的な問題

現代は『ストレス社会』といわれており、日々の生活の中でストレスを感じる人は少なくありません。職場や仕事に関する大きなストレスや家庭に関するストレスなど、ストレスの大小にかかわらず、なかなか寝つけない原因となることがあります。

一般的にストレスを感じると交感神経が活発になり、副交感神経の働きが抑えられるといわれます。そのため、ストレスがあるとリラックスした状態にならず、寝つきが悪くなったりする可能性があります。

自分でも気付かないうちにストレスを感じ、睡眠に悪影響を与えていることも珍しくありません。寝つきが悪くなりはじめた頃に、環境の変化などストレスの原因となることがなかったか考えてみましょう。ストレスの原因がわかれば、解消できる可能性が高くなります。

病気など身体的な不調

身体的な不調も寝つきが悪い原因になることがあります。例を挙げると、ケガによる体の痛みや皮膚疾患による体のかゆみなどです。その他にも、加齢による頻尿や睡眠そのものの質の低下なども、可能性の一つとして考えられます。

身体的不調は、自覚症状がある場合とない場合があります。自覚症状がない身体的不調の一つとして挙げられるのが『睡眠時無呼吸症候群』です。睡眠中に呼吸が止まってしまうことで眠りが浅くなり、寝つきの悪さにつながることがあります。

環境やリズムの崩れによる影響

海外旅行時に起きる時差ぼけや夜勤なども、睡眠に影響する可能性があります。昼と夜が入れ替わることで、体内時計にズレが生じ、体がすぐに順応できないためです。

また、寝る直前までスマホやパソコンなどを使っていたりすると、交感神経が活発になり、寝つきが悪くなることもあります。さらに、季節によっては、暑かったり寒かったりすることも睡眠に影響を与えるケースもあるようです。

出張などでホテルに滞在するときなどは、騒音や部屋の照明など、普段と違う環境が寝つきの悪さにつながることもあるでしょう。

寝る前に避けるべき行動

寝る前 避ける行動

寝る前の行動が寝つきを悪くさせることもあります。どんな点に気を付けたらよいのか紹介します。

寝る直前までスマホやパソコンにさわる

スマホやパソコンなどの電子機器は、今では私たちの生活に必要不可欠な物といっても過言ではないでしょう。しかし、寝る直前まで使用していると、寝つきが悪くなる原因になります。これは、モニターから発せられるブルーライトが眠気を妨げることが原因といわれています。

しかしながら、仕事などでどうしても使用しなければならないときもあるでしょう。そのようなときは、『夜間モード』などの設定を変更し、照度を落として使用するのがおすすめです。

なお、スマホやパソコンだけなく、テレビやゲームなども同様に寝つきを悪くする原因になることがあるため、注意しましょう。

刺激物などの摂取

眠気覚ましにカフェインが含まれたコーヒーや紅茶を飲む人は多いのではないでしょうか。睡眠前にカフェインを取ると、寝つきが悪くなるということは一般的に広く知られているでしょう。しかし、睡眠前に取ると寝付きを悪くするものは、カフェインだけではありません。

アルコール飲料も睡眠に影響することがあります。「アルコールを飲むと眠くなる」という人も多いように、アルコールが眠気を誘うこともあるといわれますが、それは一時的なものに過ぎません。アルコール飲料は、睡眠サイクルを乱し、眠りが浅くなるなど睡眠の質に影響する可能性があるのです。

また、タバコも寝つきの悪さにつながるとされています。従って、少なくても就寝前の1時間程度は、喫煙しないようにするとよいでしょう。

ネガティブな情報に触れる

仕事で大きなミスをしてしまったり、プライベートで落ち込むことがあったりした日は、つい寝る間際までネガティブなことを考えてしまいがちです。しかし、寝る直前にネガティブなことを考えていると、寝つきが悪くなるだけでなく、睡眠の質の悪さにも影響を与えることがあります。

また、翌日に大切なプレゼンや予定があるときは、よく眠れないという経験がある人も多いのではないでしょうか?緊張したり心配したりすることでも、寝つきが悪くなります。

人は心配したり悩んだりするのが普通のため、ネガティブなことを考えないようにするのは簡単ではないでしょう。しかし、就寝時は気持ちを切り替えるように努めることで、寝つきがよくなることも考えられます。

眠れないときにおすすめのリラックス法

眠れない リラックス方法

なかなか寝つけないという事実がストレスになり、より眠れなくなってしまうという悪循環に陥っている人もいるのではないでしょうか?そのようなときは、リラックスできるように心掛けることが大切です。眠れないときに試してほしいリラックス法を紹介します。

まずは環境を見直し焦りを抑える

翌日も仕事で朝早く起きなくてはいけないのに、眠れないと焦るものです。しかし、焦れば焦るほど、頭がさえて寝つきが悪くなってしまうこともあります。そのようなときは、緊張を和らげて、副交感神経が優位になるようにリラックスする必要があります。

まず、睡眠に影響する就寝環境を見直してみましょう。具体的には、眠るのに快適な環境に整えることが大切です。例えば、就寝時の部屋の温度が最適であるか、心地よく寝られる寝具であるかなどです。

室内の温度はエアコンなどで調整をし、寝具についても肌触りがよい物など、自分が心地よく感じる物を選ぶようにしましょう。

腹式呼吸をする

緊張した体をリラックスさせるには、息を深く吸ったり吐いたりする腹式呼吸がよいとされています。

まず、仰向きになり、体をリラックスさせましょう。次に、口から大きく息を吐き出します。吐き出すときは、お腹がへこむのを意識しながら、ゆっくり吐き出すのがポイントです。息を吐ききったら、鼻から息を大きく吸い込みましょう。このときは、お腹が膨らむのを意識して行います。

吸ったり吐いたりを繰り返すだけですが、口から息を吐くときは、悩みやストレスを吐き出すようにイメージするとよいでしょう。

体の緊張をとる

『筋弛緩法』も緊張した体をほぐしてリラックスさせる方法の一つといわれています。体に力を入れた後に、脱力して緩めることでリラックスできるというものです。

まず、仰向けになり体をリラックスさせます。次に手に力を入れてグーと握りましょう。そのままの状態を5秒程度保ち、脱力して緩めます。脱力した際の力がフッと抜ける感覚を意識しましょう。

足を使った方法もおすすめです。仰向けに寝転がり、足首を上に向けてアキレス腱を伸ばすように力を入れます。そのままの状態を5秒程度保ち、脱力して緩めましょう。

音楽を聴きながら眠るのもアリ

睡眠 音楽

音楽を聴くことで、気持ちが鎮まりリラックスでき、入眠の向上につながることもあります。入眠におすすめの音楽や注意点を紹介します。

入眠におすすめの音楽とは

音楽が入眠の向上をサポートする可能性があるといっても、どんな音楽でもよいというわけではありません。音楽によっては、逆に寝つきを悪くしてしまうことも考えられるため、どんな曲を選ぶかが重要なカギになります。

リラックスすることで入眠の向上が期待できる音楽の中でおすすめなのが、『ヒーリング音楽』です。ヒーリング音楽は、主に波の音や川の流れる音、鳥のさえずり、木々が風に揺れる音などです。自然界のさまざまな音が脳内をリラックスさせるといわれています。

また、『オルゴールの音』も自律神経を整え、リラックス状態に導いてくれ、入眠の向上につながるとされています。

聴きながら寝るときの注意点

中には、好きな歌手の曲を聴きながら寝たいという人もいるでしょう。しかし、歌詞つきの曲や激しいテンポの曲などは、リラックスとは反対に脳を活性化させてしまうこともあるため、注意が必要です。

また、ヘッドフォンやイヤホンで音楽を聞くのも、控えるほうがよいといわれます。ヘッドフォンなどで音楽を聞くと、脳が休まりにくいとされているためです。

音楽を聞く長さについても注意が必要です。長い時間流し続けていると脳に刺激を与えてしまい、入眠の向上につながりにくくなります。30分程度が適度とされているため、タイマーをセットして音楽をかけるとよいでしょう。

生活習慣を整えて快眠に導く

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日ごろの生活習慣も睡眠に大きく影響します。快眠に導くために注目したい生活習慣を紹介します。

起きる時間を同じにする

起床時間と就寝時間は密接な関係にあるため、起床時間を同じにすることが大切です。一般的に、起床してから、約16時間後に眠気がやってくるといわれています。つまり、起床時間が午前6時の人は、午後10時頃に眠くなるわけです。

仕事が休みの週末は、朝遅くまで寝て過ごす人もいるでしょう。しかし、それが睡眠のリズムを狂わせて、眠れないトラブルにつながることもあります。例えば、普段は午前6時に起きる人が、日曜日に午前9時まで寝ていたとします。そうすると、眠くなる時間が夜中の1時になってしまうこともあるのです。

朝日を浴びて体内時計を整える

人間が24時間サイクルで活動できているのは、朝に光を浴びることで体内時計がリセットされるためだとされています。従って、朝目覚めたら、まずカーテンを開けて外の光を浴び、体内時計を正しいリズムに整えましょう。そうすることで、約16時間後に眠くなるというサイクルができるのです。

雨や曇りの日などは、外が普段より暗いですが、体内時計はきちんとリセットされます。起床時間が早いなどで、まだ外が暗いときは、部屋の照明を明るくするだけでもいでしょう。

なお、快眠のために遮光カーテンを使っている人も多いかもしれません。しかし、朝も暗いままだと脳が夜だと判断してしまい、目覚めが悪くなることもあります。足元の部分を10cm程開けておくだけでも、目覚めがよくなるといわれています。

夕食から寝るまでの時間を考慮

夕食から寝るまでの時間も睡眠に影響します。一般的に、夕食は少なくても寝る前の3時間前までに済ませるのが理想とされています。

夕食を食べると、体は食べた物を消化吸収しなければなりません。つまり、夕食後すぐに就寝すると、快適な入眠に不可欠な脳や体を休めることができなくなるのです。その結果、なかなか寝つけなかったり、眠りが浅くなったりというトラブルにつながることもあるのです。

また、夕食と一緒に取ることが多いアルコール飲料も睡眠に影響することがあるため、注意しましょう。

まとめ

寝つきが悪いなどの睡眠トラブルは、生活に支障をきたすこともあります。そのため、寝つけない原因を把握し、生活習慣の改善を見直すことが大切です。

また、睡眠環境を整えたり、リラックスすることで解消されることもあるため、紹介した方法を試してみましょう。

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