【徹底解説】マットレスの種類は?特徴や使い方、メンテナンス方法も説明!
マットレスにはたくさんの種類があります。種類によって特徴もそれぞれです。どんなマットレスが自分に合っているかわからない!どのくらい長持ちするの?という方も多いでしょう。この記事では、マットレスの種類や特徴、長持ちさせる方法を解説します。
マットレスの役割
マットレスには、背骨のS字カーブを支えて寝姿勢を良くし、睡眠中の身体の負担を減らす効果があります。睡眠が深くなって短時間でも良質な睡眠がとれるようになったり、肩や腰の痛みが改善することもあります。自分に合ったマットレスは睡眠の質を高め、日々を明るく活動的に暮らすために大切なものです。
マットレスのメリット
マットレスのメリットは、寝姿勢を良くしたりクッション性によって体の負担を減らしたりする以外にもあります。例えばベッドの上に乗せて使用することで床からの距離が離れ、睡眠中にほこりを吸うことが少なくなります。また、ベッド下に収納スペースができ、布団のように収納する手間がなくなります。通気性はマットレスの種類によって異なりますが、ベッドの上で使用すれば床にカビが生えるということもありません。
マットレス選びで知っておきたい言葉
マットレスにはさまざまな種類があり、特徴もそれぞれ違います。良い寝姿勢を支える体圧分散性があるか、硬めなのか柔らかめなのか、通気性は良いか、重さは重いかなどが大切です。自分の好みも大切ですが、体型や生活スタイルに合わせて一番快適なマットレスを選びましょう。
体圧分散ってなに?
体圧とは、マットレスに接している身体の表面全体がマットレスから受ける圧力です。この圧力は仰向けに寝ると肩や背中、お尻に集中し、腰にも負担がかかります。
寝たきりの方が床ずれを起こし、ひどい場合は傷になったりただれたりするのは、圧力で血流が悪くなり、皮膚に影響するからです。良いマットレスは弾力性や沈み込みによって体圧が分散され、床ずれを予防し睡眠効率を良くします。
マットレスの商品説明でよく見かける言葉ですが、体圧分散はとても大切です。
マットレスの中身はどうなっているの?
たいていのスプリングマットレスの中身はキルト層、クッション層、スプリング層、クッション層、キルト層の順に重なっています。
キルト層は肌が接する層、クッション層は保温や吸湿をする層です。スプリング層とはコイルが並んでいる部分です。このコイルがバネになり、弾力性が生まれます。
それぞれの層の素材を確認することによって、検討しているマットレスがどのような特性を持っているか理解できます。ノンコイルマットレスの場合は、ウレタンや繊維樹脂などの素材が入っています。
マットレスの種類
マットレスには、スプリングマットレスとノンコイルマットレスがあります。
スプリングマットレスはコイルが入っていて、コイルの並び方や構造によって3つの種類があります。ボンネルコイルマットレス、ポケットコイルマットレス、高密度連続スプリングマットレスです。
ノンコイルマットレスは中の素材によっていくつかの種類があります。高反発ウレタンマットレス、低反発ウレタンマットレス、高反発ファイバーマットレス、ラテックスマットレスなどです。
次からそれぞれの素材について解説していきます。
スプリングマットレスの特徴とメリット・デメリット
スプリングマットレスは中にコイルが入っているため通気性が良く、耐久性の高い商品です。マットレスを10年くらい使いたい方にはスプリングマットレスがおすすめです。
しっかりとした厚みと重量があり、ベッドフレームの上にのせてベッドマットレスとして使用するのが一般的です。三つ折りで収納できる商品はありません。高品質のマットレスはコイルの数が多かったり、重ねられているコイル以外の生地が上質だったりします。値段は高くなりますが、より厚みがあるものを選ぶとへたらず長持ちします。
ボンネルコイルマットレス
ボンネルコイルマットレスは中に入っているコイルが連結していて、身体の加重部分を面で支えます。ポケットコイルマットレスよりも耐久性は高いです。ビジネスホテルなどでよく使われていて、ポケットコイルマットレスや高密度連続スプリングマットレスに比べると値段もリーズナブルなものが多いです。
ボンネルコイルマットレスのメリット・デメリット
ボンネルコイルマットレスは手頃な値段でスプリングマットレスを購入できる点が魅力です。耐久性はポケットコイルマットレスより高いものが多いですし、通気性も良いです。
欠点としてはコイルの連結による横揺れがある点です。1人が寝返りをうつともう1人が揺れを感じてしまうので、2人以上で寝るのはあまりおすすめしません。トッパーというマットレスの上に敷いて寝心地をサポートする寝具を併用すれば、ある程度の横揺れ解消は可能です。
ポケットコイルマットレス
ポケットコイルマットレスは、不織布(ポケット)の中にコイルをいれたものを並べてできているマットレスです。ボンネルコイルのようにコイルが連結しておらず、1つ1つ独立しています。そのため身体の加重部分を点で支えることができ、より身体に沿った形でフィットするのが特徴です。
ポケットコイルマットレスのメリット・デメリット
ポケットコイルマットレスは身体を点で支えることができるため、体圧分散性に優れています。連結構造ではないので横揺れが抑えられ、複数人で寝ても揺れが伝わることが少ないです。
硬さはボンネルコイルマットレスや高密度連続スプリングに比べると柔らかめです。コイルの1つ1つがポケットと呼ばれる不織布に包まれているので、通気性はボンネルコイルに劣りますが、ウレタンマットレスに比べると良い方です。スプリングマットレスに共通するデメリットですが、重量があるので処分には業者を呼ぶか粗大ごみで出さなければなりません。
高密度連続スプリングマットレス
高密度連続スプリングマットレスは、フランスベッド株式会社だけが生産や販売の権利を持っているスプリングマットレスです。全てのコイルが連続して同じ1本の鋼線で作られており、コイルの数も通常のスプリングマットレスより多くなっています。だから高密度連続スプリングという名前なのです。
フランスベッド株式会社は国産メーカーで、日本の風土に合わせたマットレスを作っています。高密度連続スプリングマットレスは、湿度の高い日本でも快適に過ごせるよう、通気性の大変良いマットレスです。
高密度スプリングマットレスのメリット・デメリット
高密度連続スプリングは連続したコイルで作られているので耐久性が高いです。通常のスプリングマットレスのコイル密度の約2.5倍で、1つ1つの面が柔軟に動きを支えます。ボンネルコイルマットレスに比べると横揺れも少ないです。体圧分散効果と通気性、耐久性を兼ね備えたマットレスです。硬さはかなり硬めなので、柔らかいマットレスが好きな方には向きません。
ノンコイルマットレスの特徴とメリット・デメリット
ノンコイルマットレスは素材によってさまざまな種類があります。高反発や低反発のウレタンマットレス、高反発ファイバーマットレス、ラテックスマットレスが主な種類ですが、それぞれ硬さや通気性、重さなどが異なります。また、ノンコイルなので環境に優しい素材を使用しているものもあります。それぞれの特徴を知り、自分のライフスタイルに合ったマットレスを選びましょう。
高反発ウレタンマットレス
ウレタンとは「ウレタン結合」という化学反応によってできるもので、プラスチックの一種です。ウレタンの硬さはN(ニュートン数)で表されますが、110N以上が硬めです。高反発マットレスは110N以上のマットレスを指します。
高反発ウレタンマットレスのメリット・デメリット
高反発ウレタンマットレスは、弾力性が高く体圧分散性に優れています。寝返りがしやすく、横揺れもしにくいです。寝返りは睡眠中の血流の流れを良くし、身体の負担を減らしてくれます。
一方で通気性はあまりよくなく、蒸れやすい商品もありますので、湿気対策が必要です。重さは軽いものが多いです。扱いやすく三つ折りタイプのものであればかんたんに収納できます。厚みは7cm以上あったほうが底づき感がなく安心です。
体重別に最適な硬さを選べる
寝返りが打ちやすい優れた反発性
均等に体を支えるので腰痛対策におすすめ
10cmの厚みでふわふわした寝心地
10万本の販売実績!の安心感
低反発ウレタンマットレス
低反発ウレタンマットレスはその名のとおり反発力が低く、柔らかく身体にフィットします。ウレタン素材の硬さの基準であるN (ニュートン数)は75N未満が柔らかめです。低反発マットレスは75N未満のものを指します。
低反発ウレタンマットレスのメリット・デメリット
低反発ウレタンマットレスは高反発マットレスの弾力性による体圧分散と違い、沈み込み身体にフィットすることで体圧分散を可能にします。そのため寝心地としては大変柔らかいです。体圧分散性では高反発マットレスよりも優れている商品が多いです。
デメリットとしては通気性がよくなく、高反発マットレスよりも劣ります。また、素材の性質上冬は硬く夏は柔らかくなりやすいです。さらに、重量は同じ厚さの高反発マットレスより重いです。
高反発ファイバーマットレス
高反発ファイバーマットレスは、マットレスの歴史の中で比較的新しい素材です。繊維状の樹脂でできていて硬さは硬めです。東洋紡が開発したブレスエアーや、エアヴィーヴが人気です。
高反発ファイバーマットレスのメリット・デメリット
高反発ファイバーマットレスの最大の特徴は通気性の良さです。ブレスエアーは96%が空気でできています。エアヴィーヴのマットレスの中に入っているエアファイバーも90%以上が空気です。人間は睡眠中に体温を下げて深い睡眠に入ります。通気性が良く蒸れにくいことで快適に眠ることができます。
また、マットレスの中を洗うことができ、速乾性もあるので常に清潔に使用可能です。体圧分散性にも優れており、寝返りが打ちやすいです。
デメリットとしては熱に弱いので、布団乾燥機や電気毛布、湯たんぽを使う場合は可能かどうか製品説明を確認しましょう。
ラテックスマットレス
ラテックスマットレスは、ゴムの木の樹液を発泡させ加工して作ったラテックスで作られたマットレスです。天然ラテックスマットレスと合成ラテックスマットレスがあり、合成ラテックスマットレスは石油などが合成されているため、安価ですがあまり品質がよくありません。
また、80%以上天然ラテックスであれば天然ラテックスマットレスと表示できるので、高品質のラテックスマットレスが買いたい場合は、100%天然ラテックスと表示されている商品を選びましょう。
ラテックスマットレスのメリット・デメリット
ラテックスマットレスは低反発マットレスと高反発マットレスの中間くらいの硬さで、どちらの良さもあるマットレスです。ほどよく身体が沈み込み、バランスの良い体圧分散性で寝返りもしやすいです。
通気性はあまりよくありませんが、抗菌効果があります。水洗いはできません。重さは他のノンコイルマットレスに比べると重めです。ゴムアレルギーの方は使用できませんのでご注意ください。
介護用マットレス
ベッドに寝る時間の多い方には、床ずれという悩みがあります。褥瘡ともいい、ひどくなると皮膚がただれたり、傷になったりします。これは身体の加重が大きい部分の血流が圧迫され、皮膚に影響することが原因です。体圧分散効果の高いマットレスを選ぶことで床ずれを予防したり痛みを軽減できます。
介護用マットレスの選び方
介護用マットレスは、介護のレベルによって選ぶことが大切です。自分でベッドから降りて立ち、日常生活が送れるレベルであればスプリングマットレスでも問題ありません。スプリングマットレスは高さがあり、立ち上がりやすいからです。ベッドに手すりがあれば手すりの高さも気にして選ぶと良いでしょう。
ベッドから1人で立ちあがれず寝返りがしにくい方にはウレタン素材などの高反発マットレスがおすすめです。1人で起き上がるのも困難な方には、ウレタン素材とスプリングが合わさった混合素材で寝心地を良くしましょう。電動式ベッドを使用する場合は、ベッドに合わせたマットレスを選ぶことが大切です。
寝たきりの方には、エアマットやゲルタイプの介護用マットレスがおすすめです。
介護用マットレスを選ぶときの注意点
介護用マットレスを選ぶときは、寝ている方の快適さはもちろんのこと、介護する側の利便性も考えて選ぶと良いでしょう。汚しても掃除しやすい撥水加工タイプや、かんたんに汚れがとれる素材を選ぶことも大切です。
使っているマットレスが汚れに弱いタイプだった場合は、尿もれ対策用のシーツやマットレスプロテクターのような寝具を使用し、衛生的に利用できると良いでしょう。
マットレスのメンテナンス
マットレスは同じ部分に身体の加重がかかることによって徐々にへたれていきます。へたれてしまうと体圧分散効果が薄れてしまったり、底づき感があったりします。スプリングマットレスであれば、コイルに付くような感じです。使用年数によって劣化していくのは仕方のないことではありますが、定期的にメンテナンスすることによって長く使うことができます。
高反発ファイバーマットレスのように洗えるマットレスを除いて、通常のマットレスは洗えません。ダニやカビを防ぎ、清潔に使用するためにベッドパッドや敷きパッド、マットレスプロテクターを併用するのもおすすめです。
マットレスを長持ちさせるには、数ヶ月に一度マットレスの向きを裏表や上下に変えることが必要です。これにより集中的に加重がかかることがなく、へたりを少なくします。また、壁に立てかけて風に当てるだけでも湿気対策になります。
メンテナンスの注意点
マットレスの種類によって重さは異なります。特にスプリングマットレスの場合は重さも厚みもあり、小柄な方が1人で持ち上げるのは大変です。壁などを利用しながら気をつけて作業しましょう。できれば2人で作業するのが安全です。
マットレスの寿命
マットレスの寿命は種類や品質によってさまざまです。ボンネルコイルマットレスやポケットコイルマットレスなどのスプリングマットレスは耐久性が高いので10年程度長持ちします。その他のノンコイルマットレスはたいてい5年〜8年程度です。低反発マットレスだけは耐久性が低いので、3年〜5年でへたってしまうことがあります。
マットレス交換の目安
反発力がなくなったり、腰辺りのマットレスの部分が凹んでいたりしたら買い替えのサインです。スプリングマットレスはきしみなども目安になります。マットレスがへたり床づき感やコイルの感触があると、身体にも違和感が出てきます。寿命の過ぎたマットレスは快眠を妨げますから、早めに買い替えましょう。
まとめ
マットレスには、大きく分けてスプリングマットレスとノンコイルマットレスの二種類があります。硬さや通気性、耐久性、重さはそれぞれの素材によって異なります。スプリングマットレスは通気性と耐久性に優れていますが重めです。ノンコイルマットレスは素材によって高反発や低反発があり、スプリングマットレスと比べると軽いものが多いです。自分の身体に合ったマットレスを見つけて、快適な睡眠ライフを過ごしましょう。